HDDが故障した?壊れたHDD(ハードディスク)からデータを取り出す方法

ハードディスクの故障は突然発生し、大切なデータが失われるリスクを抱えています。この記事では、故障したHDDからデータを取り出す方法について詳しく解説します。専門的な知識やスキルがなくても、いくつかの基本的な手順やツールを使って壊れたHDD(ハードディスク)からデータを取り出す可能性があります。

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内野 博

Sep 25, 2024 • カテゴリ: HDD復元・復旧

HDD(ハードディスク)が故障した場合、データの取り出しは慎重に行う必要があります。この記事では、HDDの故障原因や症状について簡単に説明し、故障したHDDからデータを取り出す方法を紹介します。


Part1:HDDの故障原因と症状

HDD(ハードディスクドライブ)の故障は、物理的な要因や論理的な問題に起因しています。以下に、故障の原因とその症状を簡単に説明します。

HDDの故障

① 原因:物理障害と論理障害

HDD(ハードディスク)の故障は、大きく物理障害と論理障害の2つに分けられます。物理障害は主に、ハードディスクドライブ自体の実際の故障を指し、例えばディスク表面の傷やモーターの故障などがあります。物理障害が発生すると、データの読み書きが正常に行えなくなります。

一方で、論理障害はHDD内部のソフトウェアやデータ構造に問題が生じる場合に起こり、誤ったデータの書き込み、セクタの破損、ファイルシステムのエラーなどが含まれます。論理障害が発生すると、データの正確な読み取りや書き込みが妨げられ、ファイルやフォルダへのアクセスが制限される可能性があります。

② 症状:物理障害と論理障害

HDDの物理障害の症状には、異常な音、読み込み/書き込みの遅延、ファイルやフォルダの正常な表示の不具合などがあります。HDDが物理的に故障すると、通常ではないクリック音、スクラッチ音、またはモーターの異音が発生することがあります。また、HDDに物理的な損傷があると、データの読み込みや書き込みに通常よりも時間がかかります。

HDDの論理障害の症状には、読み込みや書き込みの遅延、ファイルやフォルダの正常な表示の不具合、頻繁なOS(オペレーティングシステム)の異常終了による、ブルースクリーンエラー(青い背景に白いテキスト/エラーメッセージ)などがあります。

Part2:故障したHDD(ハードディスク)からデータを取り出す方法

故障したHDDからデータを取り出す方法はいくつかあります。以下に、様々なケースに対応する手段を紹介します。

2.1:データ復元ソフトウェアを使用する

データ復元ソフトウェアを利用することは、故障したHDDからデータを取り出す効果的な手段のひとつです。特に、Wondershare社の「Recoverit」は優れた性能を誇るソフトウェアの一つです。

Recoveritを使用すると、削除されたファイルや故障したHDDから失われたデータを回復できます。また、このソフトウェアは直感的で使いやすく、様々なファイル形式やストレージデバイスに対応しています。

HDDのデータを取り出す(Win版) Windows版 HDDのデータを取り出す(Mac版) Mac版

以下は、「Recoverit」で故障したHDDからデータを取り出す手順です。

ステップ1 復元場所を選択します。

パソコンで「Recoverit」を起動すると、左側のサイドバーに「HDDやデバイスから復元」が表示されます。ここでは、「場所」タブから特定のファイル・フォルダを選択してください。

スキャンしたいフォルダをクリックすると、選択した場所をスキャンし始めます。

復元したいフォルダを選択

ステップ2 故障したHDDから消えたデータをスキャンします。

スキャンしたいハードディスクをクリックすれば、スキャンが始まります。

スキャンは数分かかりますが、サイズの大きいファイルが多数存在する場合、数時間かかる場合もあります。

復元されたいフォルダをスキャン

ステップ3 故障したHDDから消えたデータをプレビューして復元します。

HDDのデータをスキャンした後、失われたファイル・フォルダがあるかどうかを確認するためにプレビューを行います。その後、復元したいHDDのファイルにチェックを入れて、「復元する」をクリックすれば完了です!

復元したいフォルダ・ファイルをプレビュー

以上簡単な操作で故障したHDDから消えた大事なデータが復元・復旧できます。
また、このソフトを使うことで、パソコンの復元だけではなく、外付けHDDの復旧USBデータ復元フォーマット復元などにも幅広く対応しています。ぜひお試しください。

2.2:外付けハードディスクケースを利用する

HDDの故障が電源や接続部分に原因がある場合、外付けハードディスクケースを利用すると便利です。この方法では、故障したHDDを外付けハードディスクケースに取り付け、別のパソコンに接続します。そして、電源や接続部分に問題がある場合、異なるパソコンへの接続によって、HDDが正常に機能する場合があります。

HDDを外付けハードディスクケースに収めることで、HDDを外付けストレージとして使用できます。この方法は、HDD自体が物理的に損傷していないことが前提で、データが正常にアクセスできるようであれば、外付けハードディスクケースを利用してデータの救出が可能です。

外付けHDDケースを利用

※外付けハードディスクケース:PCに内蔵されているHDDやSSDを、外付けHDDとして使用できるようにするケースです。

2.3:故障したHDDのデータを別のパソコンへ移行する

故障したHDDからデータを取り出す方法として、別のパソコンへのデータ移行があります。これは、外部HDDケースやデータ転送ケーブルを使用して故障したHDDを別の動作するパソコンに接続し、ファイルエクスプローラーを通じてデータを読み取る手法です。

2.4:自分で対処できない場合に専門業者に依頼する

故障したHDDが物理的な故障や機械的なトラブルによる場合、ユーザーが自力で対処できる範囲を超えてしまった場合は、信頼性のある専門業者に依頼することがおすすめです。専門業者は、故障したHDDを評価診断し、塵のないクリーンルームといわれる場所で修復作業を行います。このような専門業者の利用は、ユーザーにとってストレスなくデータを救出し、データを返却する手段となります。

Part3:故障したHDDからデータを取り出す時の注意点

故障したHDDからデータを取り出す際には、以下の注意点に注意することが大切です。これらの注意点を守ることで、データ復旧の成功率を高め、安全かつ確実に作業を進めることができます。

①故障したHDDからデータを取り出す前に電源を切ること

故障したHDDからデータを取り出す前には、データを失わないためにも、まず電源を切ることが不可欠です。電源を切ることで、安全に故障したHDDを取り出すことができ、復旧の成功率を向上させることができます。そして、大切なデータの価値を守るためにも、確実な対応が重要です。

②静電気や埃から保護された環境で作業を行うこと

HDDからデータを取り出す際には、静電気や埃から保護された環境での作業が大切になります。埃はデバイス内部に侵入し、データを傷つける原因となります。また、静電気はデバイスの内部部品に損傷を与える可能性があるので、作業前に静電気を帯びないように対策が必要です。

作業前に静電気を帯びないようにするためには、静電気を放電するための導電性のマットやワークウェアを使用し、帯電を防止します。これらに気を付けることで、HDDデータの安全な取り出しに貢献します。

③定期的なバックアップやHDDの健康状態をチェックすること

故障したHDDからデータを取り出す際の重要な注意点として、定期的なバックアップやHDDの健康状態のチェックなどがあります。HDDの健康状態の確認には、SMART(Self-Monitoring Analysis and Reporting Technology)という、HDD内部のセンサーが収集した情報を確認したり、メーカーが提供している専用ツールを使用します。

データの定期的なバックアップは、予期せぬ故障やデータ損失に備えるために重要です。バックアップを行うことで、HDD故障時に大切なデータを失うリスクを低減できます。同時に、HDDのハードウェアチェックをすることも大切で、不審な動作や異音があれば早めに対処することが重要です。

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