パソコンでの作業中、「ある」と思っていたファイルがなかったり、完全に削除してしまったファイルが必要になったりした経験はないでしょうか?ゴミ箱から完全に削除してしまったファイルは、見た目は「完全に削除」されていますが、実は復旧可能です。
以下、パソコンから完全に削除したファイル復元方法について解説します。ファイルの復元が必要なときにご活用ください。
一般的なファイルの「削除」は、削除対象のファイルをコンピュータのゴミ箱に移動させる処理を行います。このゴミ箱は、コンピュータ内の削除ファイルを管理するための特殊なフォルダであり、ゴミ箱に入ったファイルがすぐに完全に削除されるのではありません。
一般的なゴミ箱は、次の設定や処理を行えるようになっています。
一方、「完全削除」は、このゴミ箱の中のデータに対してさらに「削除」を命令することで、そのコンピュータ上からは完全にアクセス不可にする処理です。
パソコンから完全に削除したファイルを復元する方法には、大きく分けて次の3つがあります。
それぞれの方法について見てみましょう。
データの削除に備えてバックアップを取得している場合、過去のデータから削除してしまったファイルを復元することができます。自分でバックアップを行った記憶がなくとも、OSやビジネス用のソフト(WordやExcel、イラストレーターなど)には自動保存機能がついている場合が多いですし、企業によってはバックアップの取得が共通の初期設定として施されていることもあります。一度、自分の環境で復元ができないか確認してみるとよいでしょう。
Windowsには過去のシステムの状態をバックアップする機能がありますが、そのバックアップデータの中にはその時点のファイルのデータも含まれています。もしWindowsのバックアップデータの中に対象のファイルがあれば、ファイルの復旧が可能です。
以下、Windowsのバックアップデータを使い、完全に削除したファイルを復旧する手順を紹介します。
Windowsのファイル履歴が有効になっているかどうかを確認するには、Windowsの「設定」→「バックアップ」のページを開いてください。
まだ設定されていない場合は、「ファイル履歴を使用してバックアップ」の下に「ドライブの追加」が表示されています。「ドライブの追加」をクリックして、指示に従ってバックアップの設定を行います。バックアップ先のドライブは、外付けorネットワーク上のドライブを指定してください。
バックアップの設定ができている場合は、「ファイル履歴を使用してバックアップ」の下に「ファイルのバックアップを自動的に実行」のオン/オフのスイッチが表示されます。
バックアップデータにアクセスしてファイルの復元を行うには、Windowsスタートメニューから「ファイル履歴」と入力して検索し、「ファイル履歴でファイルを復元」をクリックします。
バックアップが取得されている場合は次のように特定時点のバックアップデータが表示されます。
復元を行いたい日時のバックアップデータを探し、対象のファイルを探します。ファイルを選択した状態で右クリックをするとプレビューを確認できます(ファイルの種類によっては確認できない場合もあります)。
復元したい時点のファイルかどうか、中身をプレビュー画面から確認し、問題がなければウインドウ下部の緑色のボタンをクリックして復元します。
この方法の場合、バックアップが実行された時点のデータになるため、削除された直近のデータとは中身が異なる場合があります。
パソコンから完全に削除したファイルを復元するための、最も簡単で成功率の高い方法は専用のデータ復元ソフトを使うことです。手軽に使える無料のソフトもありますので、もしものときに備えて準備しておくとよいでしょう。
数あるデータ復元ソフトの中でも、ワンダーシェアのRecoveritは基本的な機能が無料で試用でき、しかも高性能でおすすめです。ワンダーシェアは複数の海外拠点に1200人以上のスタッフを有するグローバルなソフトメーカーで、その製品であるRecoveritはその有用性から世界中の500万人以上のユーザーに利用されています。
RevoveritはデバイスやOS、ファイルの種類を問わず、完全削除したデータの復元に対応できるのが特徴です。クラッシュしてしまったHDDやSDDからのデータのサルベージにも活用できるため、ユーザーからは「非常に助かった」という声も多くいただいています。
動画はデータストリームや撮影・編集日時などのメタデータなど複数のデータの集合体で、復元時には各データを精密につなぎ合わせる必要があり復旧の難易度が高いです。Recoveritの有料版では、独自技術により削除された動画データや壊れた動画データの復元・復旧にも対応し、クリエイターをはじめ幅広いユーザーのデータ復元ニーズに対応しています。
こうした優れた機能を持つRecoveritですが、使うときの操作は驚くほど簡単で、パソコン初心者だとしても困ることがありません。
以下、Recoveritによる完全に削除したファイルの復元方法について紹介します。
Recoveritをインストールして起動し、復元するファイルの場所として「ごみ箱」をクリックしてスキャンを実行します。
スキャンを実行すると、復元可能なファイルが表示されます。探しているファイルが見つからない場合は、スキャン後の以下の画面で「ディープスキャン」をクリックします。
ディープスキャンを実行すると、完全に削除したファイルも含めて多くのファイルがスキャン結果として表示されていきます。Recoveritでは発見したファイルを場所や種類で分類できるので目的のファイルを見つけやすくなっています。下図はファイルの種類からxlsxファイルに絞り込んでファイルを見つけたところです。Recoveritでは、目的のファイルを発見したらスキャンの途中で停止し、すぐに復元処理を行うことができるので不要な時間を取らせません。
復元を行うときは、復元するファイルを選択し、右下の「復元する」ボタンをクリックします。複数ファイルの指定や、フォルダの指定も可能です。その後、保存する場所の指定を求められますので、既存のファイルとの重複を避けるため別ドライブに保存してください。
これで、ゴミ箱で完全に削除したファイルだとしても復元することができます。画面の指示に従えば数クリックでファイルの復元ができるのでパソコンに詳しくない人でも安心です。
復元ポイント(Restore Point)は、Windowsオペレーティングシステムにおいて、システムの状態や設定を以前の安定した状態に戻すための仕組みです。復元ポイントは、システムの変更やインストール、アンインストールなどの前に作成されることがあります。主な目的は、システムの安定性を保つために、重要な変更や問題が発生した場合に以前の状態に戻すことができるようにすることです。
復元ポイントはシステム全体の状態を復元するため、特定のファイルのみを復元することはできません。そのため、復元ポイントから復元すると、最新のデータが失われる可能性があります。復元ポイントからファイルを復元する方法は下記の記事をご参考ください。
関連記事:【Windows10/11】間違って削除してしまったファイルを復元する方法
ファイルの復元方法について解説すると、多くの人が「なぜ完全に削除したファイルが復元できるの?」と疑問を抱くようです。実はこれは、ディスクへのデータの保存や削除について理解していると理屈はそれほど難しくありません。
HDDやSDD、USBメモリやSDカードなどの記憶用デバイスにはデータを記録する「記憶領域」とデータの保存場所や状態を記録する「管理領域」があります。
デジタルデータを保存するとき、データは小さく分割されて、記憶領域の空いたスペースに書き込まれます。このとき、同一のファイルデータでも分割されたデータはバラバラに保存されることも多いです。これはディスク内の小さな空き領域を効率的に活用するためです。管理領域には各データの保存場所や状態が記録され、データの読み取りの際には管理領域を参照してコンピュータは必要なデータにアクセスします。
コンピュータ上でファイルを「完全に削除」しても、実は管理領域のデータの状態が「削除」になるだけで、記憶領域のデータをわざわざ消す処理は行いません。管理領域で「削除」になっていれば、コンピュータからは記憶領域にアクセスできず、見かけ上は消えたのと同じことだからです。
データの状態が「削除」になっていても記憶領域のデータは残っていますが、別のデータによって上書きすることは可能です。記憶用のディスクにおける「削除」とは、言い方を変えるとその記憶領域における「上書き許可」ともいえます。記憶領域が上書きされると、元のデータはどこにも戻らなくなるため、本当の意味で完全に削除されたことになります。
こうした仕組みを利用し、HDDやSDDをなどを廃棄する際に使うソフトは、ディスク内のすべてのデータを意味のない数字や文字で上書きしていく処理を行っています。
データ復元ソフトでデータの復元・復旧ができるのは、ソフトで管理領域の情報にアクセスし、そこから記憶領域のデータの情報を参照するからです。もちろん、その場合でも新しいデータによって上書きされている場合は復旧が難しくなります。そのため、復旧したいデータがあるときは、データの上書きを防止するために「なるべくそのデバイスを使わない」のがベストです。
また、画像や動画など、データの容量が大きなファイルはそれだけ多くの記憶領域を使用するため、他のデータの上書きが行われる可能性が高くなります。また、動画ファイルでは動画を構成する要素の一部が欠損しているだけでも復元できないため、ソフトメーカーでは断片化したデータや壊れたデータをつなぎ合わせて修復するための特別な機能を実装しています。
Recoveritが優れているのは、2000を超えるデバイス、1000を超えるファイル形式に対応して高い復元率を誇るところです。また、有料プランではデータ復元・復旧が難しい動画ファイルの復元にも対応しています。削除したデータの復元でお困りの際は、ぜひRecoveritを試してみてください。
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内野 博
編集長