仮想マシンからデータを復元するには？

内野 博

Sep 25, 2024 • カテゴリ: HDD復元・復旧

活用すると物理的に複数のパソコンを用意する必要がなくなる仮想マシン。仮想マシンではパソコンのなかで別のパソコンを利用できます。しかし、仮想だからといっても基本的な構造は従来のパソコンと変わりません。ハードウェアやシステム上で不具合が発生すると、故障して保存データが破損することがあり注意が必要です。本ページでは、仮想マシンからデータを復元する方法を紹介します。

仮想マシン（仮装環境）とは

一言で説明すると、仮想マシンとは「コンピューターの中で構築されたコンピューター」です。

仮想マシンについて理解するには、仮想環境を知る必要があります。基本的にはパソコンを使うには目の前に本体がなければいけません。しかし、1台のパソコンがあれば、パソコンのソフトウェアのなかで複数のパソコンを設置することができます。これを仮想環境と呼び、ソフトウェアのなかで作られたパソコンを仮想マシンと呼びます。ソフトウェアのなかに別のパソコンを作ると、母体であるパソコンとネットワークで繋がっている別のデバイスから仮想マシンの操作が可能です。ちなみに、仮想マシンを構築する代表的なソフトウェアには「VMware」があります。

仮想マシンが故障した原因

仮想マシンが故障したときは、以下のどれかか複数が原因と考えられます。

• 仮想ハードディスク（VHDX）の削除や破損
• 仮想ソフトウェアで発生したエラー
• 仮想マシンのシステム不具合
• 母体となっているパソコンの不具合や故障

基本的に仮想環境側に原因があることが多いですが、母体であるパソコンに問題が起きている可能性もあります。そのため、隅々までチェックしておきましょう。

1）仮想ハードディスク（VHDX）の削除や破損

仮想マシンが故障する原因として多いのは、仮想ハードディスクの削除や破損です。
仮想マシンの基本的な仕組みはパソコンと同じで、ハードディスクやメモリなども仮想環境で作られています。そのため、仮想環境のなかでハードディスクが破損すると、仮想マシンが動かない故障が起きるわけです。仮想環境のなかでハードディスクが破損したら、仮想マシンでエラーチェックをして問題を解決してください。

2）仮想ソフトウェアで発生したエラー

仮想マシンが起動しない場合や、頻繁にエラーが発生するパターンでは、ソフトウェア上の不具合が原因です。
仮想マシンの構成に不具合が生じたり、セキュアブートが無効になっているとトラブルを招き起動できない問題が起きます。
このパターンでは仮想マシンを再起動したり、仮想環境を構築するソフトを更新すると解消できることが多いです。またゲストOSの再インストールも試してみましょう。

3）仮想マシンのシステム不具合

どうしても仮想マシンが起動しない、また起動してもデータにアクセスできない場合は、ファイルシステムに障害が発生しているかもしれません。
何をやっても起動できないのであれば、仮想環境構築ソフトのメーカーに問い合わせてください。
起動できたからといって仮想マシンでシステム修復やエラーチェックを行うと、データの上書きが生じる恐れがあるので、自分での対処は控えましょう。

4）母体となっているパソコンの不具合や故障

最悪の場合だと、仮想環境を構築する母体であるパソコンに不具合が起きている、または故障していることがあります。
パソコンの不具合や故障には物理的と論理的の2パターンがあるので、さまざまな対処をしなければいけません。

 以下のパターンは物理的な故障のため、パソコンの修理が必要です。

• パソコンに衝撃を与えて破損している
• パソコンから異音が聞こえる
• パソコンが水没した

以下のパターンは論理的な故障に当たります。

• 頻繁にエラーが発生する
• フォーマットおよび初期化をした
• 間違って必要なデータを削除した
• ウイルスの感染

論理的な故障が原因の場合、自分で対処するよりパソコンや作業環境構築ソフトのメーカーに問い合わせるのが無難です。

仮想マシンからデータを復元する方法

仮想マシンが故障すると、保存していたデータが消えてしまうリスクが出てきます。母体であるパソコンと仮想マシンのどちらにも、失ったデータを復元する機能はありません。そこで試してみたいのが、Wondershareのデータ復元ソフト「Recoverit」です。RecoveritはWindows対応のデータ復元ソフトで、仮想マシンでも利用できます。データ復元率は95％で、業界のなかでも高水準です。

2003年からデー復元技術を研究しているWondershareが提供しており、500万人以上のユーザーが利用しているので信頼性は高いといえます。Recoveritは無料版が提供されていて、100MBのデータ復元が可能です。最初は無料版で仮想マシンのデータ復元を試してみて、気に入ったら購入を検討してみましょう。

以下は、「Recoverit」 で仮想マシンから消えてしまったデータを復元する手順です。

ステップ1 復元場所を選択

パソコンで「Recoverit」 を起動すると、左側のサイドバーに「HDDやデバイスから復元」が表示されます。ここでは、「場所」タブから特定のファイル・フォルダを選択することは可能です。スキャンしたいドライブ／フォルダをクリックすると、データのスキャンを開始します。

ステップ2 仮想マシンから消えたデータをスキャンします。

スキャンは数分かかりますが、サイズの大きいファイルが多数存在する場合、数時間かかる場合もあります。

ステップ3 仮想マシンから消えたデータをプレビューして復元します。

仮想マシンのデータをスキャンした後、失われたデータがあるかどうかを確認するためにプレビューを行います。その後、復元したいパソコンのファイルにチェックを入れて、「復元する」をクリックすれば完了です！

以上簡単な操作で仮想マシンから削除してしまった大事なデータが復元・復旧できます。
また、このソフトを使うことで、仮想マシンの復元だけではなく、外付けHDDの復旧、USBデータ復元やフォーマット復元などにも幅広く対応しています。ぜひお試しください。

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