コンピュータでデータを保存する媒体として、昔から磁気を使用するハードディスクや光磁気ディスクなどが使用されてきました。最近は磁気以外にも、フラッシュメモリを利用したデータ保存用のデバイスが多く使用されています。フラッシュドライブで有名なものはUSBメモリですが、最近はモバイル端末用にTFカードと呼ばれる記録装置も使用されています。
TFカードと聞いても、どのようなデバイスなのかよく分からないという方が多いかもしれません。TFとはTranceFlashの略で、マイクロSDカードを指します。マイクロSDカードは、スマートフォンなどの小型のモバイル端末に挿入して使用するために小型化されたデバイスです。
SDカードはUSBメモリなどと同じフラッシュメモリの一種で、電源を供給していない時でも保存されたデータを保持し続けることが可能です。TFカードがデータの保存方法や信号の形式はSDカードと全く同じで、データが書き込まれる領域はファイル名とデータ本体を記録する部分に分かれています。
TFカード(マイクロSDカード)は主にモバイル機器で使用するために開発されたデバイスですが、信号の形式がUSBメモリと同じなのでPCで読み書きをすることが可能です。専用のアダプタを装着してSDカードリーダーに挿入すれば、USB端子を備えているPCでデータのアクセスができます。スマートフォンで撮影した写真・動画やネット上からダウンロードしたデータなどをPCに移動させたい場合には、カードリーダーを利用して転送させると便利です。PCを操作して、TFカード内の不要なデータを削除することも可能です。
TFカードに保存してあるデータを整理する際に、モバイル機器やPCの操作を誤って必要なファイルを消去してしまう場合があります。消去の操作をするとリストから消えてアクセスができなくなりますが、別のファイルが上書きされていなければデータの内容はカード内に残されています。PCやモバイル機器に標準装備されているソフトやアプリで消去したファイルにアクセスをすることはできませんが、PC用のデータ復元ソフトを利用すればデータを取り出すことが可能です。マイクロSDカードのファイルを誤って消去した場合は、すぐに使用を中止してPCデータ復元ツールで復旧作業をする必要があります。PCでTFカードにアクセスをする場合には、SDカードリーダーまたはモバイル機器に挿入した状態でUSBケーブルで接続をする方法があります。
Wondershare 「Recoverit」は、内臓HDDやPCからアクセスが可能な外部ドライブで消去したファイルを復元する機能を備えています。外部ドライブにはUSBメモリやSDカードも含まれていて、カードリーダーやUSBメモリに接続されたモバイル機器に挿入されたTFカードも対応しています。「Recoverit」があればモバイル機器やPCの誤操作で消去したファイルでデバイスに残されているデータを読み込んで、別のデバイスに保存することができます。操作方法が簡単なので、専門的な知識がない方でも簡単にデータの復元作業ができるようになっています。
スキャンが完了すると、消去されたファイルの一覧が表示されます。該当する項目にチェックを入れて右下の「復元」ボタンをクリックすると、ファイルの保存先を選択する画面に進みます。PCの内臓ドライブなどを指定してファイルの保存をしたら、復元作業は完了です。
Wondershare 「Recoverit」は外部ドライブにも対応しているので、モバイル機器などの誤操作で消去してしまったTFカードのファイルも復元することが可能です。タッチパネル画面の小さいスマートフォンは操作を間違えてファイルを消去してしまう危険性が高いので、万一の場合に備えてPCにRecoveritをインストールしておくと良いでしょう。
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内野 博
編集長