SDカードにも寿命があることをご存じでしょうか?
実は、SDカードの寿命はデータの書き換え回数(プログラム/消去サイクル)に大きく左右されます。特にドライブレコーダーや監視カメラなど、頻繁に書き込みが行われる用途では、耐久性の高いMLCタイプのSDカードを選ぶことが重要です。
本記事では、SDカードの寿命の仕組みや種類別の耐久性、寿命を延ばすコツ、さらに破損時の対処法まで、実用的な情報を詳しく解説します。
冒頭でもお伝えしたように、SDカードの寿命は主に書き換え回数によって変わります。このほかにも、SDカードの種類や扱い方も影響するため、ここで一概に寿命の年数をお伝えすることは難しいのが現状です。
ただしSDカードは、搭載されている「フラッシュメモリ」の種類によって、書き換え回数の上限が異なります。お手持ちのSDカードに搭載されているフラッシュメモリの種類を把握することにより、大まかな寿命は把握できるでしょう。
また、フラッシュメモリの種類による書き換え上限から見たとき、目安となるSDカードの平均寿命は2年~10年といわれています。
フラッシュメモリとは、データを書き込んだり消去したりする半導体のことです。SDカードをはじめとして、USBメモリやパソコンのSSD、スマートフォンなどあらゆる電子機器に使われています。
SDカードのフラッシュメモリには「TLC(Triple Level Cell)」「MLC(Multi Level Cell)」「SLC(Single Level Cell)」の3種類があり、それぞれ書き換え回数に上限があるとされています。
▲ フラッシュメモリ種類別比較表(用途に応じた選択が重要)
TLC | MLC | SLC | |
---|---|---|---|
書き換え回数の上限(耐久性) | 1,000回 | 3,000回 | 50,000回 |
コスト | 安い | 高い | とても高い |
推奨用途 | 📷 デジカメ/スマホ (低頻度書き換え) |
🚗 ドライブレコーダー (中頻度書き換え) |
🏭 産業機器 (高耐久要求) |
64GB SDカード(TLCタイプ)の場合:
・1日あたり録画量:10GB
・書き換え可能回数:1,000回
→ 理論寿命 = 64GB × 1,000回 ÷ 10GB/日 = 約6,400日(17.5年)
※実際はウェアレベリング等の影響で3-5年が目安
注:「TLCメモリの耐久性は過去5年で3倍向上したが、4K動画の普及によりユーザーの書き換え頻度は2.5倍に増加しています」
- テクノシステムリサーチ ストレージレポート2023 より
書き換え回数の上限が、いわゆる「書き換え寿命」といわれており、SDカードの寿命として捉えられるわけです。
また、フラッシュメモリの中でも特に耐久性の高い「SLC」は産業用の半導体になりますので、一般家庭では「TLC」「MLC」に注目しましょう。
できるだけ寿命の長い製品を使いたいのであれば、やや値段は高くなりますが「MLC」タイプのSDカードを選ぶのがおすすめです。
・定期的にデバイスと接続し通電させる
・湿気対策で部品がサビないようにする
・衝撃を与えない
・SDカードを単体で持ち歩くときは専用ケースに入れる
・データの余計な書き換えを行わない
SDカードの寿命を延ばす際に気をつけたいのは、物理的な扱い方と、書き換え回数の上限を意識することです。
特にSDカードの接続部は金属でできていますから、湿気の強い場所に放置しておくとサビてしまいます。物理的な衝撃でもデータが消えてしまうことがありますので、十分に注意しましょう。
また、SDカードを全く使わない場合でも1年に1度くらいを目安に、通電することも効果的といわれています。電気信号を維持させることで、電気信号の消失を極力防ぐことができるでしょう。
・デバイスがSDカードを認識しない
・SDカードが突然認識されなくなったり、認識されたりを繰り返す
・SDカードの読み込みはできるが書き込みはできない
など
SDカードが劣化したり、破損したりしていると、多くのケースではデバイスがSDカードを認識できなくなります。
もしもSDカードを長く使っていて、エラーが頻繁に表示されたり、上記のような兆候が表れたりする場合は、早めにSDカードを買い替えるなどして対応しましょう。
SDカードにも寿命年数があります。SDカードには書き込み可能な回数が存在し、数万回とされていますがある程度の所まで書き込みや消去などを繰り返すとSDカードは劣化や破損してしまいます。もし劣化したSDカードを刺した場合「SDカードが破損しています」と表示されれば使う事は不可能となります。
そこで不測の事態に対応するため、事前にSDカードの寿命をチェックするのです。
「SDカードが破損しています」と出ないように、SDカードの寿命をチェックするには、ソフトをインストールする必要があります。この手のソフトは色々あるのですが、アイ・オー・データ機器のSDカード製品なら診断ミレルと言う無料のソフトが便利です。(分かりやすい表記になっているので、パソコンにあまり強くない人にもお薦めです)
アイ・オー・データ機器の「診断ミレル」は2023年11月よりmacOS版を提供開始。Apple Silicon(M1/M2チップ)にも完全対応しています。
後はパナソニックからも出ていますがこちらは英語表記です。このあと、Check Flashと言うフリーソフトがあります。一見抵抗感があるかもしれませんが、パソコン関連書籍を多数出しているインプレスと言う会社が立ち上げているサイト「窓の杜」でも紹介されています。
ちなみにパソコン用のソフトばかりでスマートフォンのアプリはない模様です。(あるかもしれませんが、検索して簡単に出ないと言う事はあってもそれだけマニア向け用だと言えそうです。)
SDカードの寿命年数や書き込み回数に来たわけじゃないのに、「SDカードが破損しています」と出る理由はSDカードの寿命年数や書き込み回数に限りません。
衝撃を加えてしまったり水没などで物理的にSDカードが破損。またSDカードを差し込むカードリーダーの抜き挿しがあまりにも多くて、カードリーダーの物理的な劣化(約1000〜20000回なので、物理的なSDカードリーダーの劣化は滅多に無いかもしれませんが)などあります。
他にもSDカードの読み込み中に抜いたりバッテリー切れになったりした場合も、SDカードが破損する原因となります。
この上のようなSDカード寿命のチェック操作をしなくても、ドライブレコーダーはSDカードを使っていたら、寿命告知機能が付いている事があります。ドライブレコーダーは録画を頻繁にするため、SDカードの書き込み回数も到達しやすくなります。特に毎日車で通勤している人はそのSDカードの書き込み回数到達がより早くなると思われます。
だから一概には言えませんが、多くのドライブレコーダーにはSDカードの寿命告知機能があるのです。
SDカードがなるべく劣化・破損しまわず長く使うコツは、まずはフォーマットです。フォーマットは初期化ですがフォーマットしていない状態は荷物がたくさんある家と同じ状態で、どこに何があるか分かりづらくなりデータが取り出しづらくなります。取り出しづらいとその分SDカードにダメージを与える事になりますので、フォーマットが必要です。
ただしフォーマットを頻繁にするとこれもSDカードの寿命年数にアク影響を及ぼすので、microSDカードなら月に2回。SDHCカードになら月に1回の感覚が良いです。またフォーマットの際データ退避の必要があるので、その際はSDカード自体をなるべく触らずケーブルなどを使いましょう。
破損や劣化したSDカードの修復についてですが、自分でしたり業者に頼んだりする事が可能です。業者に頼む場合はもちろん料金がかかりますが、診断自体が無料だったり復旧の場合のみお金をとったりなど、料金を納得して払えたりとる所もあり何より素人よりも確実です。
また容量ごとの料金が詳しく書いていたり、オブションを取り付けたり、送金は無料などの場所もあります。これらから業者に頼む場合も感じやすいと思われる、破損・劣化したSDカードの修復の敷居を低くしている努力が感じられます。ただし手続きなどを考えると破損状態になったSDカード の修復は、自分でしたりするよりも時間がかかります。
それに自分で劣化したSDカードを修復するにも、会社から出ているソフトを使えば安全に破損したSDカードの修復が出来ます。とは言えコマンドを打ち込んで劣化したSDカードの修復を試みたりするタイプであったり英語など、敷居の高さを感じるソフトが有るのもまた事実です。
ですが次で紹介するワンダーシェアーソフトウェア提供の「Recoverit」 を使えば、劣化や破損したSDカードの修復においての、敷居の高さはぐっと低くなります。
「Recoverit」 なら物理的な破損や劣化した場合なら不可能ですが、1000種類の形式の削除してしまったSDカード内のファイルの復元が可能です。しかも日本語対応で直感的に操作できる、グラフィカルな画面となっています。やり方は無料のワンダーシェアーソフトウェアの会員登録を済ませた状態で、Recoveritのソフトを起動させて修復したい箇所を選択。
そして、スキャンして破損したファイルがないかチェックしていきます。すると破損したSDカードのデータファイルが有れば表示されるので、これが復元できます。こう言ったのがマウス操作で出来るのがRecoveritのすごい所です。また何とフォーマットしてしまったSDカードの修復を、500Mまでなら無料で可能です。(また復元前のデータを無料でプレビューできます。)
ちなみにSDカード以外のUSBメモリなどの他の外部記憶装置からの破損データも復元可能で、復元率は驚異の95%です。
以下は、「Recoverit」 で破損や劣化などの原因でSDカードから紛失したデータを復元する手順です。
「Recoverit」を起動する前に、外付けデバイスをパソコンに接続しましょう。カメラ、外付けHDD、USBメモリ、SDカードなどが認識可能です。ターゲットの場所として「外付けデバイス」を選択してください。
スキャンしたいSDカードをクリックすれば、スキャンが始まります。
スキャンは数分かかりますが、サイズの大きいファイルが多数存在する場合、数時間かかる場合もあります。新バージョンではスキャンの時間を大幅に短縮するバージョンアップを行いました。また、スキャン結果はリアルタイムで表示されます。
SDカードのデータをスキャンした後、失われたファイルがあるかどうかを確認するためにプレビューを行います。その後、復元したいSDカードのファイルにチェックを入れて、「復元する」をクリックすれば完了です!
以上簡単な操作でSDカードから削除してしまった大事なデータが復元・復旧できます。
また、このソフトを使うことで、SDカードの復元だけではなく、外付けHDDの復旧、USBデータ復元やフォーマット復元などにも幅広く対応しています。ぜひお試してください。
A: Mac対応の選択肢として以下があります:
brew install f3
で導入可能A: 3ステップで試してみましょう:
chkdsk /f X:
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内野 博
編集長