マイクロソフトWordでは、作業途中にプログラム自動的に編集途中の状態を保存する機能があります。もしも突然の停電などでドキュメント形式の文書を保存する前にプログラムが終了してしまった場合でも、ASDファイルから作業途中の状態を復元することができるようになっています。誤って同名の名前で文書を上書き保存してしまった場合や、ドキュメント形式の文書を保存せずにプログラムを閉じてしまった場合でも、ASDファイルがあれば途中まで編集したデータを取り出すことができます。
ASDのデータは直接Wordでオープンすることができませんが、作業途中の状態を再現する機能を利用します。Wordを起動して「ファイル」をクリックし「インフォ」を選択します。「バージョン管理」に進んで「保存されないドキュメントを復旧」を選択すると、フォルダ指定画面が表示されるので、ASDのデータが保存されているディレクトリを指定すれば作業途中の状態を再現することができます。
ASDファイルはプログラムにより作成され、不要になれば自動的に削除されます。そのため、誤って文書を保存した場合などに、ASDファイルがプログラムによって削除されてしまいます。どうしても作業途中の状態を再現したい場合には、自動的に削除されたASDファイルを復元する必要があります。プログラムによってファイルが削除されたとしても、データはディスク上に残されている可能性があります。専用のデータ復元ツールを利用することで、削除されたデータを取り出すことができます。
データ復元用のツールはたくさんありますが、無料で配布されているソフトウェアの多くは復元できる径s器が画像や音声データに限定されている場合がほとんどです。ASD形式のように特殊なデータを復元するためには、有料のソフトウェアを使用する必要があります。Wondershare「Recoverit」はASD形式のデータも取り出すことが可能です。専門的な知識を持たない人でも、拡張子の“ASD”を探すだけで簡単に編集途中の状態を再現することができます。
Wondershare社のASDファイル復元ソフト「Recoverit」の使用方法ですが、取り出すデータの種類を選択、削除されたファイルがあった場所(ドライブやディレクトリ)の指定、ファイルを選択して別のドライブにデータを保存、の3ステップです。必要最小限の操作で失われたデータを回復させることができます。
スキャンが終了するとASDファイルの検索結果の一覧が表示されるので、拡張子が「ASD」のファイルを探して、保存された日付を見ながら該当するものを選びます。
スキャン終了後にファイルが見つかれば画面にリストアップされるので、復元したいファイルをチェックし復元ボタンをクリックしてください。復元したファイルを保存する場所を指定するウィンドウが表示されますので、適宜保存場所を指定します。
パソコンで作業をしている時にコンセントに足を引っ掛けて抜いてしまったり、OSがフリーズして強制終了することで作業途中の文書が失われてしまうようなトラブルが発生するケースがあります。Wondershare「Recoverit」を使用してWordによって自動的に保存・削除されたASDファイルを復元することができれば、不測の事態が発生したとしても編集途中の状態を回復することができます。
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内野 博
編集長