WindowsPCでは時に「Thumbs.db」という見慣れないファイルが作成され、削除できずに困ってしまうことがあります。これはファイルをフォルダごと削除しようとした際によく発生する現象です。
本記事では「Thumbs.db」のファイルが作成された際の削除方法や、削除できない場合の解決法などについて詳しくまとめています。画像付きで解説しているので、ぜひ一緒に操作を進めてみてください。
「Thumbs.db」ファイルはWindowsPCで作成されるファイルですが、具体的にどのような役割があるのでしょうか。また、削除して問題ないのかなども気になりますね。
まずは「Thumbs.db」というファイルの削除に至る前に、思わぬトラブルを防ぐためにも「Thumbs.db」ファイルの基本知識について理解を深めましょう。
Windowsには「エクスプローラー」と呼ばれるファイルやフォルダを管理するシステムが搭載されており、さらにエクスプローラー内にはファイルをプレビュー表示できるサムネイル画像の機能が備わっています。
このサムネイル画像の表示を高速化するために作成されるのが「Thumbs.db」ファイルです。具体的には、過去に表示したことのあるサムネイル画像を記憶しておくことによって、次に同じサムネイル画像を表示させる際の表示速度を速める役割を持っています。
「Thumbs.db」ファイルはエクスプローラーの稼働を最適化するために自動生成されるものなので、基本的には削除しなくても問題はありません。
また、削除したとしても次にサムネイル画像を表示する際、再度新たな「Thumbs.db」ファイルが自動生成されるため、WindowsPCへの影響もほとんどないため安心です。
「Thumbs.db」ファイルを問題なく削除できればよいのですが、困ってしまうのが削除しようとしても「Thumbs.db」ファイルの削除ができないケースです。
ファイルやフォルダを削除しようとした際に「エクスプローラーによってファイルは開かれているため、操作を完了できません。」というエラーが表示され、削除も移動もできなくなってしまった場合には、記事の後半でご紹介する手順や解決策をお試しいただく必要があります。
まずは「Thumbs.db」ファイルを手動で削除する一般的な手順についてご紹介します。
なお、「Thumbs.db」ファイルを削除した直後は、エクスプローラーでサムネイル画像を表示させようとした際に若干のもたつきが発生することがあります。しかし先ほどもお伝えしたように「Thumbs.db」ファイルは再度自動で生成されるため、削除する行為自体に問題はありません。
「Thumbs.db」ファイルは隠しファイルであるため、初期設定のままであればフォルダの中に表示されることはありません。しかし手動で「Thumbs.db」ファイルが表示されるように設定することが可能です。
この項目では「Thumbs.db」ファイルの検索方法と手動削除の手順についてお伝えします。
「Thumbs.db」ファイルを検索するには設定を変更します。エクスプローラーを開いたら画面右上にある「…」をクリックし、メニュー内にある「オプション」を選択しましょう。
フォルダーオプションが表示されたら「表示」タブをクリックすると、「保護されたオペレーティングシステムファイルを表示しない(推奨)」にチェックが入っているはずなのでチェックを外します。
画面右下の「適用」>「OK」の順にクリックして設定は完了です。「Thumbs.db」ファイルを再度非表示にさせたい場合は、同じチェックボックスにチェックを入れると表示されなくなります。
次に「Thumbs.db」ファイルを検索してみましょう。
エクスプローラーの任意の保存場所を選択し、画面右上にある検索ボックスに「thumbs.db」と入力してEnterキーを押下してください。そうすると選択した保存場所の中に該当ファイルがないか検索が始まります。しばらく待つと画像のように「Thumbs.db」ファイルがたくさん表示されました。
今回は例として「PC」の中で検索してみましたが、ピクチャフォルダやデスクトップなど別の場所で検索をかけても表示されることがあります。このように、検索は「Thumbs.db」ファイルをまとめて削除したい場合に便利です。
また、一般的な「Thumbs.db」ファイルであれば、右クリックやデスクトップのごみ箱へドラッグすることで簡単に削除できます。
「Thumbs.db」は必要な時に自動生成されるファイルのため、基本的には削除しても問題ありません。しかしこのようなファイルやフォルダを整理する際に、誤って重要なファイルやフォルダを削除してしまうことがあります。
万が一重要なファイルやフォルダを削除してしまった場合の対処法も記事の後半でご紹介しますが、パソコンの中身を整理する際は事前に必ずバックアップをとっておくようにしましょう。
先ほどもお伝えしたように、「Thumbs.db」ファイルは通常であれば右クリックやデスクトップのごみ箱へドラッグすることで簡単に削除が可能です。
しかし場合によって「このファイルを削除するには管理者の権限が必要です」「エクスプローラーによってファイルは開かれているため、操作を完了できません。」などとエラーが表示され、削除も移動もできない場合があります。
この項目では、画像のようにロックされてしまったファイルを解除し削除する方法や、セキュリティソフトウェアが影響していないか調べる方法などについてまとめました。
まずは簡単な方法としてエクスプローラーの再起動を試みましょう。
スタートボタンを右クリックし「タスクマネージャー」を起動します。
プロセスの中から「エクスプローラー」を見つけてクリックし、選択した状態で画面右上にある「タスクの再起動」を選択しましょう。しばらくしてエクスプローラーの再起動が完了したら、再度「Thumbs.db」ファイルを削除してみてください。
次にコマンドプロンプトの機能を使って「Thumbs.db」ファイルを削除する方法をご紹介します。エクスプローラーの再起動で解決しない場合にお試しください。
タスクバーの検索窓に「コマンドプロンプト」と入力し「管理者として実行」を選択します。
ユーザーアカウント制御の画面では「はい」を選択してください。
コマンドプロンプトを管理者として起動したら「del /ah /s /q thumbs.db」と入力し、Enterキーを押下しましょう。そうすると「Thumbs.db」ファイルの削除が実行されます。しばらくして削除が完了したら、コマンドプロンプトの画面を閉じてください。
WindowsPCにはセキュリティソフトウェアが備わっているため、セキュリティソフトウェアが影響している場合は任意のフォルダを除外リストに入れることができます。
スタートボタンから設定画面を開き、「プライバシーとセキュリティ」をクリックします。さらに画面が展開されたら「Windowsセキュリティ」をクリックしましょう。
「ウィルスと脅威の防止」の項目で、画像のように「処置は不要です。」と表示されていれば、とくに「Thumbs.db」ファイルが削除できない問題との関連性はないでしょう。
もしもフォルダを除外リストに追加したい場合は、このまま次の手順に進みます。
「設定の管理」をクリックします。
画面下のほうにある「除外の追加または削除」を選択してください。
「除外の追加」をクリックし、セキュリティソフトウェアの影響を受けたくないファイルやフォルダを選んで追加してください。フォルダーを選択した場合は、フォルダーの中にあるサブフォルダーにも除外が適用されます。
「Thumbs.db」ファイルはこれまでご紹介した手順にて削除ができますが、そもそも自動生成を防ぎたいという方もいるでしょう。そのような場合には「Thumbs.db」ファイルの自動生成を無効にすることも可能です。
ただし、「Thumbs.db」ファイルの自動生成を無効にすると、エクスプローラーで今まで表示されていたサムネイル画像が表示されなくなります。つまり、ファイルを開いてみないと画像のプレビューが確認できないということです。
「Thumbs.db」ファイルの自動生成を無効にして不便に感じた場合は再度有効に設定しサムネイル画像が表示されるようにしましょう。
「Thumbe.db」ファイルはサムネイル画像を表示させるために必要なシステムなので、エクスプローラーのサムネイル画像の表示をオフにすることで、自動生成を無効にできます。
エクスプローラーを開き画面右上の「…」をクリックします。メニュー内にある「オプション」を選択しましょう。
「表示」タブを選択し、以下2つのチェックボックスにチェックを入れてください。1.縮小版にファイルアイコンを表示する2.常にアイコンを表示し、縮小版は表示しないこれら2つにチェックを入れたら画面右下「適用」をクリックし、「OK」を選択します。
これでエクスプローラーにおけるサムネイル画像の表示が無効になったため、「Thumbs.db」ファイルも自動生成されなくなります。
グループポリシーの設定から「Thumbs.db」ファイルの自動生成を作成しないようにすることもできます。この設定は「Thumbs.db」ファイルがローカルハードディスクではなく、ネットワークドライブに保存されている場合に有効です。
スタートボタンを右クリックして「ファイル名を指定して実行」を選択します。
名前の入力欄に「gpedit.msc」と入力し「OK」をクリックします。ここで、お使いのWindowsPCにグループポリシーエディタが搭載されていればエディタが起動されるはずです。
グループポリシーエディタはWindows10Pro以上のバージョンに搭載されている機能なので、お使いのバージョンによってはグループポリシーエディタ自体が起動できない場合があることにご注意ください。
今回筆者のWindowsPCにはグループポリシーエディタが搭載されていないため、画像なしで分かりやすく手順をご説明します。
1.画面左のフォルダを以下のようにして辿る
「ローカルコンピューターポリシー」>「ユーザーの構成」>「管理用テンプレート」>「Windowsコンポーネント」>「エクスプローラー」
2.ウィンドウ右側にある「設定」リストの中から「非表示のthumbs.dbファイルで縮小表示のキャッシュを無効にする」の表示を探し、ダブルクリック
3.設定ウィンドウが開いたら、左上にある「有効」をオンに切り替える
4.画面右下の「適用」をクリック
ここまでの手順が完了したらグループポリシーエディタの画面を閉じてください。これで「Thumbs.db」ファイルの自動生成を防ぐ作業は完了です。
今回はWindowsPCのエクスプローラーで自動生成される「Thumbs.db」ファイルについて、削除する方法や削除できない場合の対処法などを詳しく解説しました。本記事で説明している手順に沿って操作を行えば、解決できるはずなのでぜひお試しください。
また、エクスプローラー内のフォルダや設定を操作しているときに、誤って重要なファイルやフォルダを削除してしまった場合は、データ復元専用のソフトウェアを活用しましょう。
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スキャンしたいハードディスクをクリックすれば、スキャンが始まります。
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内野 博
編集長