RAWファイルは、JPEGデータよりも柔軟かつ繊細な補正編集ができる写真のデータですが、そのままでは写真として開くことはできません。
本記事では、RAWファイルとはそもそも何かといった基礎知識から、ファイルの開き方、変換、書き出し方法、よくあるトラブルの対処法までわかりやすく解説します。
これから本格的にカメラを楽しみたい方、本格的な写真編集がしたい方はぜひ参考にしてください。
目次
Part1:RAWファイルの技術的な基礎知識

はじめに、知っておきたいRAWファイルの基礎知識を以下4つのポイントに分けて解説します。
RAWファイルの基礎4ポイント
- ①:そもそもRAWファイルとは何か
- ②:非圧縮・可逆圧縮データの特徴
- ③:一般的な画像ファイルとの技術的な違い
- ④:RAWファイルの拡張子と互換性
Part1-1:そもそもRAWファイルとは何か
RAWファイルは、カメラのイメージセンサーが受け取った光の情報と設定値を未加工のまま保存した画像データです。
JPEGファイルが自動補正済みデータであるのに対し、RAWファイルは「撮影素材」としての性質を持ちます。
カメラメーカーごとに異なる拡張子があるため、開くには対応するRAW現像ソフトが必要です。
Part1-2:非圧縮・可逆圧縮データの特徴
RAWファイルは基本的に非圧縮または可逆圧縮形式で保存される「デジタルネガ」に近いデータ形式です。
RAWデータの特徴まとめ
- 色情報を間引かないため、豊富な階調と高画質を維持できる
- 編集・保存を繰り返しても画質劣化が起きにくい
- JPEGよりも後処理の自由度が高い
Part1-3:一般的な画像ファイルとの技術的な違い
RAW、JPEG、PNGの違いを以下の表で比較します。
| RAWファイル | JPEGファイル | PNGファイル | |
| データの状態 | 未加工の生データ(現像前の素材) | カメラ内で現像・非可逆圧縮済み | 現像・可逆圧縮済み |
| ファイルサイズ | 大きい(JPEGの2〜6倍程度) | 小さい | 中〜大(JPEGより大きいことが多い) |
| 色深度 | 深い(12bit〜14bitなど、約687億色以上) | 浅い(8bit、約1677万色) | 浅い(8bit/16bit、主にWeb向け) |
| 画質・編集耐性 | 極めて高い。露出やWBの後調整に強い | 低い。圧縮劣化あり、大幅な調整は困難 | 中程度。劣化はないが、RAWほどの調整幅はない |
| 互換性 | 低い。専用ソフトが必要 | 高い。汎用性が非常に高い | 高い。透過(透明度)に対応 |
ファイル形式ごとのおすすめ用途
- JPEG: 軽くて扱いやすく、SNS投稿や日常用途に最適
- RAW: 編集の自由度が高く、本格的な作品制作におすすめ
- PNG: 画質を維持しつつ手軽に現像したい方に向いている
Part1-4:RAWファイルの拡張子と互換性
RAWファイルはメーカーごとに独自拡張子を採用しており、互換性に注意が必要です。
| メーカー | RAW拡張子 |
| Canon | .CR2、.CR3 |
| Nikon | .NEF、.NRW |
| Sony | .ARW、.SRF |
これらの拡張子を開くには、対応するRAW現像ソフトが必要です。多くのカメラメーカーは無料でソフトを提供しています。
代表的なRAW拡張子まとめ
- Canon:.CR2 / .CR3
- Nikon:.NEF / .NRW
- Sony:.ARW / .SRF
- Adobe汎用形式:.DNG
Part2:RAWファイルを開く・表示する方法

RAWファイルを開くための主要な現像ソフトには、以下のような製品があります。
代表的なRAW現像ソフト一覧
- Adobe Lightroom/Photoshop(PC・モバイル対応)
- Capture One(プロ向けPCソフト)
- Snapseed(無料のモバイルアプリ)
- 各カメラメーカー純正の現像ソフト
また、Windows OSやMac OSの純正ビューアでも開ける場合がありますが、現像や編集は不可です。
本格的な現像を行う場合は、カメラメーカー純正ソフトの利用をおすすめします。
RAW現像ソフトであれば、ファイルを開くだけで写真として書き出せます。手動・自動補正や編集も可能です。
Part3:RAWファイルの変換・書き出し方法
RAWファイルは、JPEGやPNGなどの汎用形式に変換・書き出すことで、SNSや印刷などに利用できます。
以下のフローに沿って、RAWを写真として完成させましょう。
RAWからJPEG/PNGへの書き出しフロー
- Step1: RAW現像ソフトで調整(ホワイトバランス・露出・ノイズ処理など)
- Step2: 「ファイル」メニュー → 「書き出し」から汎用形式へ変換
- Step3: 保存形式を選択(JPEG・PNG・TIFFなど)
- Step4: 編集反映後のデータを保存
一般的に、元のRAWファイル自体は変更されませんが、念のためバックアップを取得しておくと安心です。
Part4:RAWファイルでよくあるトラブルシューティング

RAWファイルは特有の構造を持つため、以下のようなトラブルが発生することがあります。
よくあるトラブル一覧
- ファイルが開けない・読み込めない
- 画像が暗い・色味がイメージと違う
- RAW画像が増えすぎて管理が面倒
- ファイルサイズが大きすぎる
Part4-1:ファイルが開けない・読み込めない
まず、使用している現像ソフトがカメラのRAW拡張子に対応しているか確認しましょう。
また、現像ソフトが最新バージョンかどうかも重要です。
カメラメーカー純正ソフトで現像 → 汎用形式に書き出してから他ソフトで編集する方法もおすすめです。
Part4-2:画像が暗い・色味がイメージと違う
RAWファイルはカメラの補正がかかっていない生データなので、暗めに見えるのが一般的です。
色味を整えるためのポイント
- ホワイトバランスの微調整
- 露出補正
- シャドウ・ハイライトの調整
- ピクチャースタイル設定の変更
Part4-3:RAW画像が増えすぎて管理が面倒
撮影後すぐにカットを選別し、不要データを削除、必要データのみ整理しておきましょう。
RAW画像の整理・管理ポイント
- 撮影直後にフォルダ分けを行う
- RAW専用フォルダを作成しておく
- カタログ機能付きの管理ソフトを活用
Part4-4:ファイルサイズが大きすぎる
RAWファイルは非圧縮・可逆圧縮のため、高画質と引き換えにファイルサイズが大きくなります。
以下のような対策で容量問題を緩和できます。
ファイルサイズを軽減する方法
- JPEG撮影とRAW撮影を併用する
- DNG形式などの軽量フォーマットに変換
- SSDストレージを活用して高速管理
Part5:RAWファイルの復元・データ復旧を行うには?

万が一大切なRAWファイルが、誤操作や不具合などによって消失してしまっても、データ復元ソフトの利用によって復旧できる可能性があります。
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初めて利用する方でも直感的に操作できる親切なインターフェースで、万が一の場面でも落ち着いて対応できるでしょう。PC内蔵ストレージや外付けストレージ、SDカードはもちろんのこと、USBメモリまで、さまざまなデバイスのデータを復元できます。
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以下は、「Recoverit」で消えたデータを復旧・復元する手順です。
ステップ1 復元場所を選択します。
パソコンで「Recoverit」を起動すると、左側のサイドバーにファイル保存場所が表示されます。ここでは、特定の保存場所を選択してください。
スキャンしたいフォルダをクリックすると、選択した場所をスキャンし始めます。

ステップ2 消えたデータをスキャンします。
スキャンしたいハードディスクをクリックすれば、スキャンが始まります。
スキャンは数分かかりますが、サイズの大きいファイルが多数存在する場合、時間かかる場合もあります。

ステップ3 消えたデータをプレビューして復元します。
パソコンのデータをスキャンした後、失われたファイル・フォルダがあるかどうかを確認するためにプレビューを行います。その後、復元したいパソコンのファイルにチェックを入れて、「復元する」をクリックすれば完了です!
