RAW画像の撮影・現像・復旧方法まとめ(初心者向け)

RAW画像は「生データ」だからこそ、撮影後でも柔軟な編集が可能です。
本記事では、RAW撮影の基礎からカメラ設定、現像ソフトの選び方、現像テクニック、トラブル対策、さらには万が一消えたRAWデータの復旧方法まで、わかりやすく解説します。

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内野 博
内野 博 更新 Oct 15, 25

RAW画像は、データを加工していない「生」のデータ形式を指し、現像にはRAW対応のソフトやアプリが必要なことが多いです。しかし、現像ができればかなり柔軟で繊細な編集ができるのもRAW画像の魅力。

本記事では、RAW画像の撮影方法や現像方法、現像のテクニックをわかりやすく解説します。カメラを始めたばかりの方、これから本格的な写真編集がしたい方はぜひ参考にしてみてください。

目次
    1. Part1-1:いつものカメラでRAW撮影を始めよう
    2. Part1-2:RAW撮影時のカメラ設定のコツ
    1. Part2-1:メーカー純正ソフト
    2. Part2-2:サードパーティ製ソフト
    1. Part3-1:撮影構図の時点からしっかりと考える
    2. Part3-2:現像前に完成図をイメージする
    3. Part3-3:効率的な現像ワークフロー
    1. Part4-1:カメラ・撮影に関するトラブル
    2. Part4-2:現像・ファイル管理のトラブル
    3. Part4-3:データ損失の予防策

Part1:カメラを使ったRAW画像撮影の基礎

RAW画像撮影の基礎

RAW撮影の方法とRAW撮影時のカメラ設定のコツを理解することは、写真編集の基本です。まずはこれら2つの基礎知識を押さえましょう。

補足:RAW画像は後から色調補正や露出補正が自由にできるため、JPEGよりも編集の自由度が高いです。

Part1-1:いつものカメラでRAW撮影を始めよう

「RAW」とは、カメラのイメージセンサーが捉えた光の情報を、非圧縮またはほとんど非圧縮の状態で記録したデータです。JPEGがカメラ内で調整された「調理済み」の画像であるのに対し、RAWは「生の食材」のようで、撮影後でも自由に現像が可能です。

多くのデジタル一眼レフやミラーレスカメラには、「RAW」や「RAW+JPEG」の切り替えオプションがあります。まずはお手持ちのカメラで設定を確認してみましょう。

注意:設定が見つからない場合は、カメラのマニュアルや公式サイトで「RAW撮影」の項目を確認してください。

Part1-2:RAW撮影時のカメラ設定のコツ

RAW画像はカメラ側での画像処理を前提としないため、JPEG撮影とは少し考え方が異なります。

ホワイトバランス(WB)は後から自由に調整可能なので、基本的にはオートでも問題ありません。

補足:白飛びの復元は難しいため、少し露出を下げる設定がおすすめです。

露出を下げるには、ISO感度を低くする、シャッタースピードを速めるなどの方法があります。ISO感度・シャッタースピード・絞り値の関係は深いため、初心者はこの3つを意識して学ぶと良いでしょう。

Part2:【メーカー別】RAW現像ソフトと選び方

RAW現像ソフトと選び方

RAWデータは、一般的な画像ビューアでは読み込めないことが多く、RAW形式に対応した現像ソフトやアプリが必要です。ここでは、RAW現像ソフトを大きく2種類に分けて紹介し、選び方を解説します。

ポイント:ソフトの種類は「メーカー純正ソフト」と「サードパーティ製ソフト」の2つに分けられます。

Part2-1:メーカー純正ソフト

キャノンやニコンなどカメラメーカーが提供する純正ソフトです。RAWデータはメーカーによって拡張子が異なる場合があり、それぞれのカメラメーカーは自社RAW形式に最適化した現像ソフトを無料提供しています。

メーカー 製品名
キャノン Digital Photo Professional (DPP)
ニコン NX Studio
ソニー Imaging Edge Desktop
富士フィルム RAW FILE CONVERTER EX/X RAW STUDIO
パナソニック SILKYPIX Developer Studio SE/Pro
オリンパス OM Workspace
ペンタックス Digital Camera Utility

メーカー純正ソフトは、基本的にお手持ちのカメラに合わせて選ぶのが最適です。自動補正機能や、露出・ホワイトバランスなどの基本現像処理は、どのメーカーソフトでも大きな違いはありません。

補足:インターフェースや微調整機能はメーカーによって異なります。撮影したRAW画像をすぐに現像したい場合は純正ソフトを、本格的に写真編集したい場合はサードパーティ製ソフトとの使い分けがおすすめです。

Part2-2:サードパーティ製ソフト

サードパーティ製ソフトは、より高度で効率的なRAW現像を可能にします。カメラメーカー以外が開発しており、本格的な編集には有料版が多いです。

主要なRAW現像ソフト例は以下の通りです。

ソフト 料金 特徴
Adobe Lightroom 1,480円~/月 Adobe製品との相性が良く、モバイル版も利用可能
Adobe Photoshop 2,380円~/月(Lightroom付) より高度な写真編集、モバイル版もあり
Luminar NEO 9,580円 高機能AI搭載、買い切り型
Silkypix Developer Studio Pro 10 22,000円 700機種以上のRAWフォーマット対応、買い切り型
PhotoDirector 365 6,480円/年 AI搭載、写真に動きを付ける独自機能

純正ソフトにない機能も多く、サードパーティ製ソフトを利用すると、より自由度の高いRAW現像が可能です。無料体験版があるソフトも多いため、気になるソフトはまず試してみるのがおすすめです。

Part3:実践的なRAW現像テクニック

RAW現像のテクニック

ここからは、実際にRAW現像に役立つテクニックを3つご紹介します。

Part3-1:撮影構図の時点からしっかりと考える

RAW現像はあくまでも「写真を良く見せるための調整」であり、「失敗を修正する魔法」ではありません。この考え方は非常に重要です。

RAW現像の可能性を最大限に引き出すためには、撮影段階で構図やピント、露出のベースをしっかり決めておくことをおすすめします。

RAWデータは微調整が可能ですが、撮影素材自体を整えておくことで、よりクオリティの高い画像作品に仕上げられます。

Part3-2:現像前に完成図をイメージする

RAW現像作業に入る前に、写真を最終的にどのような雰囲気に仕上げたいか、完成イメージを明確にしておきましょう。

ゴールが明確になると、イメージに沿って効率的に調整を進められます。また、RAWデータはコピーして何度でも編集できるよう、必ず元のデータは上書きせず保管してください。

完成イメージが曖昧だと、調整が迷走し不自然な仕上がりになることがよくあります。

Part3-3:効率的な現像ワークフロー

RAW現像時に活用できる基本のワークフローは以下の通りです。

RAW現像の基本ワークフロー:上から順に進めることで、効率的に画像を仕上げられます。

  • レンズ補正・傾き補正:レンズの歪みや色収差、傾きを補正してベースを整える
  • トリミング・構図調整:不要部分を切り取り、写真の意図に沿って構図を調整
  • 露出・ホワイトバランス調整:全体の色味と明るさを自然に整える
  • コントラスト・シャドウ/ハイライト調整:白飛び・黒潰れの補正、明暗バランスを整える
  • 色相・彩度・明度の調整(カラーレーディング):特定色や全体の色統一で完成イメージに近づける
  • シャープネス・ノイズ軽減:暗部のノイズ除去やシャープネス処理で解像度を高める

初心者向け:特に「ベースを整える」意識で微調整すると自然な仕上がりになります。

Part4:RAW撮影・現像時のよくあるトラブル対処法

RAW撮影・現像時のトラブル対処法

RAWデータはファイルサイズが大きく、一般的な画像ビューアで開けない場合もあります。また、非対応ソフトや管理方法の不備によるトラブルも発生しやすいため、事前の対策が重要です。

ここでは、RAW撮影・現像時によくあるトラブルを3つのパートに分けて解説します。

Part4-1:カメラ・撮影に関するトラブル

カメラや撮影に関する代表的なトラブルは以下の通りです。

  • 白飛び・黒潰れ:撮影段階で防ぐのが基本。特に白飛びは後からの修正が難しいです。
  • 画像のピンボケ:AFのオン/オフやAFエリアの設定を確認。

多くのカメラにはヒストグラム機能があります。ヒストグラムを確認しながら、どの明るさがどの位置にあるか把握し、適切に露出設定を調整しましょう。

Part4-2:現像・ファイル管理のトラブル

現像やファイル管理で起こりやすいトラブルは以下の通りです。

  • RAWデータが見れない:RAW現像ソフトがカメラのRAW拡張子に対応しているか確認。
  • 写真の重複管理:「RAW+JPEG」の場合、RAW専用フォルダを作り、日付+場所などでファイル名を統一。
  • ファイルサイズが大きすぎる:一度に大量コピーせず、1~数枚ずつ移動。高速SSDの活用もおすすめ。

Part4-3:データ損失の予防策

最も避けたいのはRAWデータの消失です。写真は一度撮影した時間を記録するものであり、同じ瞬間を再現することはできません。

バックアップは最重要: RAWデータは異なる2箇所以上に保存しましょう。クラウドストレージ、外付けHDD、USBメモリなどを活用。

SDカード管理: 消耗品と考え、バックアップ後に定期的にフォーマットして状態を維持。

Part5:大切なRAW画像データの保護と復旧方法

大切なRAW画像データを守る方法と復元手順

大切なRAW画像データを守るには、まずは先述したデータ損失の予防策を徹底しましょう。

万が一RAW画像が消えてしまった場合は、データ復元ソフトが有効です。「Recoverit」は、RAWデータを含む1,000種類以上のファイル形式の復元が可能です。

内蔵HDD・SSD、SDカード、USBメモリなど2,000種類以上のデバイスから、大切なデータを簡単なステップで復元できます。

お困りの方や、万が一に備えたい方は、ぜひ無料ダウンロードでお試しください。

無料ダウンロード(Mac版)

以下は、Recoveritで消えたRAWデータを復元する手順です。

ステップ1 復元場所を選択

パソコンでRecoveritを起動すると、左側のサイドバーにファイル保存場所が表示されます。スキャンしたい保存場所を選択してください。

選択後、スキャンを開始します。

RecoveritでRAWデータ復元の復元場所選択画面

ステップ2 消えたデータをスキャン

スキャンしたいハードディスクやストレージをクリックすれば、スキャンが始まります。RAW画像など容量の大きいデータが多い場合、完了まで時間がかかることもあります。

RecoveritでRAWデータをスキャン中の画面

ステップ3 消えたデータをプレビュー・復元

スキャン後、失われたRAW画像やフォルダがあるかプレビューで確認します。復元したいデータにチェックを入れ、「復元する」をクリックすれば完了です。

RecoveritでRAWデータをプレビューして復元する画面

RAW画像に関するよくある質問(FAQ)

  • RAW画像とはどんなファイル形式ですか?
    RAW画像はカメラが記録した「生データ」で、JPEGよりも多くの情報を保持しています。後から色や明るさなどを自由に調整できるのが特徴です。
  • RAWファイルを開くにはどんなソフトが必要ですか?
    一般的なビューアでは開けないため、「Adobe Lightroom」「Luminar NEO」などRAW現像対応ソフトを利用する必要があります。
  • RAW現像とJPEG編集の違いは何ですか?
    RAW現像は非圧縮データを元に調整できるため、画質劣化が少なく自由度が高い点が大きな違いです。
  • RAWデータが開けない場合はどうすればいいですか?
    ソフトがカメラのRAW形式(拡張子)に対応しているか確認してください。対応していない場合はメーカー純正ソフトを利用するのが確実です。
  • RAW画像のファイルサイズが大きすぎて困るときは?
    不要なRAWを削除し、外付けSSDやクラウドに保存するのが最適です。また、RAW+JPEGではなくRAWのみ保存に設定すると容量を抑えられます。
  • RAWデータを誤って削除した場合、復元できますか?
    はい、Recoveritなどのデータ復元ソフトを使えば、削除やフォーマット後でもRAWデータを復元できる可能性があります。
内野 博
内野 博 Oct 15, 25
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