Windowsで突然「0x80070005」エラーが表示され、ファイルのコピーやプログラムのインストールができなくなってしまった経験はありませんか?
このエラーは「アクセス拒否」を意味し、システムが必要なファイルやフォルダーにアクセスできない状態を示しています。
本記事では、Windows 10/11で発生する0x80070005エラーの原因を徹底分析し、初心者でも安全に実行できる8つの対処法を詳しく解説します。
さらに、万が一エラーによってデータが消失してしまった場合の復元方法もご紹介します。
目次
Part1:0x80070005エラーとは?基本を理解する
まずは0x80070005エラーの正体を理解しましょう。どんな意味を持ち、どんな場面で発生するのかを把握することで、適切な対処法を選択できます。
Part1-1:0x80070005エラーの意味
Windows 10/11で発生する「0x80070005」エラーは、「アクセスが拒否されました(Access Denied)」を意味する代表的な権限エラーです。
具体的には、以下のような状況で発生します:
エラーの本質:
- 必要なファイルやフォルダへのアクセス権限がない
- Windows Updateのダウンロード・インストールが権限不足でブロックされる
- システムファイルの変更・削除が管理者権限で制限されている
- セキュリティソフトがファイル操作を誤ってブロックしている
- レジストリキーへのアクセスが拒否されている
このエラーは「システムがあなたを信頼していない」または「必要な許可証を持っていない」状態を示しています。
Part1-2:エラーが発生しやすい場面とPC症状
0x80070005エラーが発生する主な場面と症状をチェックしてみましょう。
よくある発生場面:
| 発生場面 | 具体的な症状 | 表示されるメッセージ例 |
|---|---|---|
| Windows Update実行時 | 更新のダウンロード・インストールが途中で止まる | 「更新プログラムのインストール中にエラーが発生しました - 0x80070005」 |
| ファイル・フォルダ操作時 | ファイルの移動・削除・名前変更ができない | 「この操作を実行するアクセス許可が必要です」 |
| ソフトウェアインストール時 | アプリのインストールが途中で失敗する | 「インストールエラー: 0x80070005 - アクセスが拒否されました」 |
| システムバックアップ時 | バックアップの作成・復元が失敗する | 「バックアップ中にエラーが発生しました (0x80070005)」 |
| レジストリ編集時 | レジストリキーの変更ができない | 「キーの編集エラー: 値を書き込めません」 |
PCに現れる共通症状:
- 特定のファイル・フォルダが「読み取り専用」になっている
- 管理者権限で実行しても操作できない
- Windows Updateが何度試しても失敗する
- システムの復元ポイントが作成できない
- 共有フォルダへのアクセスが拒否される
Part1-3:専門用語を分かりやすく解説
このエラーを理解・対処するために必要な専門用語を、初心者の方にも分かりやすく説明します。
アクセス権限(Access Permission)
ファイルやフォルダに対する「許可証」のようなものです。「読み取り」「書き込み」「変更」「削除」などの操作ごとに許可が設定されています。
例え話:
会社のオフィスに例えると、アクセス権限は「入館カード」です。一般社員は自分のデスクにアクセスできますが、社長室には入れません。管理者権限は「マスターキー」のようなものです。
管理者権限(Administrator Rights)
Windowsシステムで最も高い権限レベルです。システムファイルの変更やソフトウェアのインストールなど、重要な操作を実行できます。
NTFS権限(NTFS Permissions)
Windows標準のファイルシステム(NTFS)で使用される詳細な権限設定です。ユーザーやグループごとに細かくアクセスを制御できます。
所有者(Owner)
ファイルやフォルダを作成したユーザー、またはそれらに対して完全な制御権を持つユーザーです。所有者は権限を自由に変更できます。
UAC(User Account Control / ユーザーアカウント制御)
重要な操作を実行する前に表示される確認ダイアログです。システムを保護するための仕組みですが、過度に厳しいとエラーの原因になります。
レジストリ(Registry)
Windowsの設定情報を保存する巨大なデータベースです。システムやアプリの動作を制御する重要な情報が格納されており、アクセス権限で保護されています。
Part2:症状はどれ?原因を特定する4つのパターン
0x80070005エラーの原因を効率的に特定するために、まず自分の状況がどのパターンに当てはまるかを確認しましょう。
Part2-1:Windows Update実行時のみエラー
症状:
Windows Updateのダウンロードやインストールが必ず失敗する(他の操作は正常)
可能性が高い原因:
- Windows Updateサービスの権限設定エラー
- 更新ファイル保存フォルダ(SoftwareDistribution)の権限問題
- Windowsストアキャッシュの破損
- セキュリティソフトがUpdateをブロック
優先すべき対処法:
Part4-2(Windows Updateトラブルシューター)、Part4-3(SoftwareDistributionフォルダのリセット)
Part2-2:特定のファイル・フォルダ操作時のみエラー
症状:
特定のフォルダやファイルに対する操作(移動・削除・名前変更)だけができない
可能性が高い原因:
- 対象ファイル・フォルダの所有者設定が不正
- NTFS権限の設定ミス
- ファイルが他のプログラムで使用中
- システム保護されたファイル
優先すべき対処法:
Part2-3:ソフトウェアインストール・アンインストール時のエラー
症状:
アプリのインストールやアンインストールが途中で失敗する
可能性が高い原因:
- Program Filesフォルダへの書き込み権限不足
- レジストリキーへのアクセス拒否
- インストーラーの管理者権限不足
- ウイルス対策ソフトの誤検知
優先すべき対処法:
Part2-4:システム全体で様々な操作がエラー
症状:
Windows Update、ファイル操作、ソフトインストールなど、複数の異なる操作でエラーが発生
可能性が高い原因:
- ユーザーアカウントの権限設定が破損
- システムファイルの広範囲な破損
- ウイルス・マルウェアによる改変
- Windows更新の失敗によるシステム不整合
優先すべき対処法:
Part3:0x80070005エラーの主な6つの原因
0x80070005エラーが発生する代表的な6つの原因を詳しく解説します。
Part3-1:ファイル・フォルダの権限設定エラー
最も頻繁に発生する原因が、NTFS権限の設定ミスや破損です。
具体例:
| 状況 | 原因 | 結果 |
|---|---|---|
| 外付けHDDのデータ移行後 | 元のPCのユーザーアカウントが所有者として残っている | 新しいPCでファイルが開けない・削除できない |
| Windows再インストール後 | 古いユーザーフォルダの権限が引き継がれていない | 「アクセスが拒否されました」と表示される |
| セキュリティソフトの誤動作 | 保護機能でファイルが自動的にロックされる | 管理者でも変更・削除できない |
| システムファイルの誤編集 | TrustedInstallerが所有者のファイルを変更しようとした | 権限不足でエラー |
約40%のケースがこの原因です。
Part3-2:Windows Updateコンポーネントの権限問題
Windows Updateに関連するシステムフォルダやサービスの権限設定が不正な状態です。
影響を受けるフォルダ・サービス:
C:\Windows\SoftwareDistribution- 更新ファイルの一時保存先C:\Windows\System32\catroot2- デジタル署名の検証データ- Windows Updateサービス(wuauserv)
- Background Intelligent Transfer Service(BITS)
- Cryptographic Servicesサービス
よくあるケース:
- 以前の更新失敗でフォルダが破損したまま残っている
- 手動でSoftwareDistributionフォルダを削除したが権限が復元されていない
- ウイルスがUpdateサービスの権限を変更した
Part3-3:ユーザーアカウントの管理者権限不足
使用中のアカウントが実際には管理者権限を持っていない、または権限が部分的に破損しているケースです。
確認方法:
ステップ1 設定を開く
「設定」→「アカウント」→「家族とその他のユーザー」を開く
ステップ2 アカウントの種類を確認
自分のアカウント名の下に「管理者」と表示されているか確認
問題が起こるケース:
- 表示は「管理者」だが、実際の権限トークンが破損している
- UAC設定が最高レベルで、管理者でも制限される
- グループポリシーで特定の操作が禁止されている(企業PC)
Part3-4:セキュリティソフトやウイルスの影響
ウイルス対策ソフトの過剰な保護や、実際のマルウェア感染がエラーの原因となります。
⚠️ 危険な兆候:
- セキュリティソフトを無効化してもエラーが続く
- 突然システムファイルへのアクセスが拒否されるようになった
- タスクマネージャーやレジストリエディターが起動できない
- 管理者アカウントの権限が勝手に変更される
→ ウイルス感染の可能性が高い!専門ツールでスキャン必須
Part3-5:システムファイルの破損
Windows更新の失敗、強制シャットダウン、ハードディスクエラーなどにより、権限管理に関わるシステムファイルが破損しているケースです。
破損しやすい重要ファイル:
- SAM(Security Account Manager)データベース
- レジストリハイブファイル(SECURITY、SOFTWARE、SYSTEM)
- アクセス制御リスト(ACL)情報
- セキュリティ記述子(Security Descriptor)
兆候:
- SFCコマンドで「破損したファイルを検出しましたが、修復できませんでした」と表示
- イベントビューアーで頻繁にNTFS関連のエラーが記録される
- ログイン時に「ユーザープロファイルサービスによるログオンの処理に失敗しました」
Part3-6:レジストリキーへのアクセス拒否
Windowsレジストリの重要なキーに対する権限が不正に設定されている、または破損しているケースです。
よく問題が起こるレジストリキー:
HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWAREHKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEMHKEY_LOCAL_MACHINE\SECURITY(通常はアクセス不可)HKEY_CURRENT_USER\Software
レジストリ操作は慎重に!誤った変更はWindowsが起動しなくなる原因になります。
Part4:今すぐ試せる対処法8選(安全度順)
以下の対処法を上から順番に試してください。各ステップで問題が解決したらそこで終了してOKです。
重要な注意事項:
作業を始める前に、必ずシステムの復元ポイントを作成し、重要データをバックアップしてください。
Part4-1:管理者として実行する(基本操作)
所要時間:1分|安全度:★★★★★
最もリスクが低く、すぐに試せる基本的な対処法です。
ステップ1 対象ファイル・プログラムを右クリック
エラーが出るファイル、フォルダ、またはプログラムのアイコンを右クリックします。
ステップ2 「管理者として実行」を選択
コンテキストメニューから「管理者として実行」をクリックします。
ステップ3 UACダイアログで「はい」をクリック
「このアプリがデバイスに変更を加えることを許可しますか?」→「はい」
成功の目安:
エラーが出ずに操作できた場合、権限の一時的な不足が原因でした。毎回必要な場合は、プログラムのプロパティで「管理者としてこのプログラムを実行する」に常時チェックを入れてください。
Part4-2:Windows Updateトラブルシューター実行
所要時間:5〜10分|安全度:★★★★★
Windows Update関連のエラーに特化した自動修復ツールです。
ステップ1 設定を開く
「スタート」→「設定」→「システム」→「トラブルシューティング」→「その他のトラブルシューティング ツール」
ステップ2 Windows Updateトラブルシューターを実行
「Windows Update」を探して「実行」ボタンをクリックします。
ステップ3 自動診断を待つ
ツールが自動的に問題を検出・修復します(5〜10分程度)。
ステップ4 結果を確認
- 「問題が見つかり、修正されました」→ 成功!PCを再起動して確認
- 「問題が見つかりましたが、修正できませんでした」→ 次の対処法へ
Part4-3:SoftwareDistributionフォルダのリセット
所要時間:10分|安全度:★★★★☆
Windows Updateの一時ファイルをクリアして権限をリセットします。
ステップ1 コマンドプロンプトを管理者で開く
スタートボタンを右クリック→「ターミナル(管理者)」または「コマンドプロンプト(管理者)」
ステップ2 Windows Updateサービスを停止
以下のコマンドを順番に実行します:
net stop wuauserv
net stop bits
net stop cryptsvc
ステップ3 SoftwareDistributionフォルダの名前を変更
ren C:\Windows\SoftwareDistribution SoftwareDistribution.old
ren C:\Windows\System32\catroot2 catroot2.old
ステップ4 サービスを再起動
net start wuauserv
net start bits
net start cryptsvc
ステップ5 PCを再起動して確認
再起動後、Windows Updateを再度実行してみてください。
Part4-4:ファイル・フォルダの所有者変更
所要時間:5分|安全度:★★★☆☆
アクセス拒否されたファイル・フォルダの所有者を自分に変更します。
ステップ1 対象を右クリック
アクセスできないファイル・フォルダを右クリック→「プロパティ」
ステップ2 セキュリティタブを開く
「セキュリティ」タブ→「詳細設定」ボタンをクリック
ステップ3 所有者を変更
「所有者」の横の「変更」リンクをクリック→ユーザー名またはグループ名に「Administrators」と入力→「名前の確認」→「OK」
ステップ4 サブフォルダにも適用(フォルダの場合)
「サブコンテナーとオブジェクトの所有者を置き換える」にチェック→「適用」→「OK」
ステップ5 権限を付与
「セキュリティ」タブに戻り→「編集」→「追加」→自分のユーザー名を追加→「フルコントロール」にチェック→「OK」
Part4-5:NTFS権限の完全リセット
所要時間:3分|安全度:★★★☆☆
コマンドラインで権限を強制的にリセットします。
ステップ1 コマンドプロンプトを管理者で開く
ステップ2 ICAClSコマンドを実行
以下のコマンドで対象フォルダの権限をリセット:
icacls "C:\問題のフォルダパス" /reset /T /C /Q
オプションの意味:
/reset- 既定の継承された権限に戻す/T- サブフォルダとファイルにも適用/C- エラーが出ても続行/Q- 成功メッセージを非表示(高速化)
ステップ3 完了を確認
「処理に成功しました」と表示されればOKです。
Part4-6:セキュリティソフトの一時無効化
所要時間:3分|安全度:★★★★☆
ステップ1 セキュリティソフトを一時停止
タスクバーのセキュリティソフトアイコンを右クリック→「リアルタイム保護を一時停止」(10分程度)
ステップ2 その状態で操作を試す
エラーが出ていた操作を再度実行してみます。
ステップ3 成功した場合は除外設定
セキュリティソフトの設定で、対象ファイル・フォルダを「除外リスト」または「信頼するプログラム」に追加
Windows Defenderの除外設定:
「Windowsセキュリティ」→「ウイルスと脅威の防止」→「設定の管理」→「除外」→「除外の追加」
Part4-7:SFC/DISMによるシステムファイル修復
所要時間:30〜60分|安全度:★★★☆☆
ステップ1 コマンドプロンプトを管理者で開く
ステップ2 SFCスキャンを実行
sfc /scannow
完了まで20〜30分待ちます。
ステップ3 結果を確認
- 「破損したファイルを検出し、正常に修復しました」→ 成功!再起動
- 「破損したファイルを検出しましたが、修復できませんでした」→ DISMへ
ステップ4 DISM修復(SFC失敗時)
DISM /Online /Cleanup-Image /RestoreHealth
完了まで30〜60分待ちます(インターネット接続必須)。
ステップ5 再度SFCを実行
DISM完了後、もう一度 sfc /scannow を実行します。
Part4-8:新規ユーザーアカウント作成
所要時間:10分|安全度:★★★☆☆
現在のアカウントの権限が破損している場合、新しい管理者アカウントを作成します。
ステップ1 設定を開く
「設定」→「アカウント」→「家族とその他のユーザー」
ステップ2 新しいユーザーを追加
「その他のユーザーをこのPCに追加」→「このユーザーのサインイン情報がありません」→「Microsoftアカウントを持たないユーザーを追加する」
ステップ3 ユーザー名とパスワードを設定
任意のユーザー名(例:NewAdmin)とパスワードを入力→「次へ」
ステップ4 管理者権限を付与
作成したアカウント名をクリック→「アカウントの種類の変更」→「管理者」を選択→「OK」
ステップ5 新アカウントでログイン
一度サインアウトして、新しいアカウントでログイン→エラーが出るか確認
データ移行:
新アカウントで問題なければ、古いアカウントから必要なファイルをコピーしてください。C:\Users\旧ユーザー名 フォルダから Documents、Desktop、Downloads などを移行します。
Part5:それでも解決しない時の最終手段
ここまでの対処法で改善しない場合の最終手段を3つご紹介します。
⚠️ 危険な兆候チェックリスト:
以下に該当する場合、まず重要データのバックアップを最優先してください。
- 新しいアカウントでも同じエラーが出る
- セーフモードでも権限エラーが発生する
- システムファイルチェッカーでも修復不可
- レジストリエディターが起動できない
- タスクマネージャーが「管理者によって無効にされています」と表示
Part5-1:システムの復元
所要時間:30〜60分|安全度:★★★☆☆
問題が発生する前の状態に戻します。
ステップ1 復元ポイントを開く
スタートメニューで「復元ポイント」と検索→「復元ポイントの作成」を開く
ステップ2 システムの復元を開始
「システムの保護」タブ→「システムの復元」ボタンをクリック
ステップ3 復元ポイントを選択
エラーが出る前の日付の復元ポイントを選択→「影響を受けるプログラムのスキャン」で確認
ステップ4 実行
「完了」をクリック→確認ダイアログで「はい」→復元実行(30分〜1時間)
注意:
復元ポイント以降にインストールしたソフトは再インストールが必要です。個人ファイル(ドキュメント、画像など)は影響を受けません。
Part5-2:インプレース アップグレード(修復インストール)
所要時間:1〜2時間|安全度:★★☆☆☆
データを保持したままWindowsを再インストールします。
ステップ1 Windows ISOファイルをダウンロード
Microsoft公式サイトから「メディア作成ツール」をダウンロード・実行
ステップ2 ISOファイルをマウント
ダウンロードしたISOファイルをダブルクリックでマウント
ステップ3 Setup.exeを実行
マウントされたドライブ内の setup.exe を右クリック→「管理者として実行」
ステップ4 重要な設定を選択
「個人用ファイルとアプリを引き継ぐ」を必ず選択してください。
ステップ5 インストール実行
「インストール」をクリック→1〜2時間待つ
Part5-3:Windowsのクリーンインストール(最終手段)
所要時間:2〜3時間|安全度:★☆☆☆☆
すべてのデータが消去されます。必ずバックアップしてください。
ステップ1 重要データをバックアップ
外付けHDDやクラウドストレージに以下をバックアップ:
- デスクトップ、ドキュメント、ピクチャ、ダウンロードフォルダ
- ブラウザのブックマーク
- メールデータ
- ライセンスキーが必要なソフトの情報
ステップ2 回復ドライブ作成またはインストールメディア準備
ステップ3 クリーンインストール実行
「設定」→「システム」→「回復」→「このPCをリセット」→「すべて削除する」
ステップ4 Windowsセットアップ
画面の指示に従ってWindows 10/11を再セットアップします(1〜2時間)。
Part6:大切なデータが消えてしまった時の解決策
権限エラーの対処中や、システム修復・初期化の過程で、意図せず重要なファイルが失われることがあります。そんな時は専門的なデータ復元ツールの活用を検討しましょう。
Wondershare Recoverit でのデータ復元
Recoveritは、誤削除・フォーマット・システム障害で失われたデータを復元できる専門ツールです。AIを搭載した高度な復元技術により、99.5%の復元成功率で失われたドキュメントや画像、動画など1,000種類以上のファイル形式のデータを取り戻します。
以下は、「Recoverit」で消えたデータを復旧・復元する手順です。
ステップ1 復元場所を選択します。
パソコンで「Recoverit」を起動すると、左側のサイドバーにファイル保存場所が表示されます。ここでは、特定の保存場所を選択してください。
スキャンしたいフォルダをクリックすると、選択した場所をスキャンし始めます。

ステップ2 消えたデータをスキャンします。
スキャンしたいハードディスクをクリックすれば、スキャンが始まります。
スキャンは数分かかりますが、サイズの大きいファイルが多数存在する場合、時間かかる場合もあります。

ステップ3 消えたデータをプレビューして復元します。
パソコンのデータをスキャンした後、失われたファイル・フォルダがあるかどうかを確認するためにプレビューを行います。その後、復元したいパソコンのファイルにチェックを入れて、「復元する」をクリックすれば完了です!

こんな状況で活用できます:
- 権限エラー対処中に誤ってファイルを削除してしまった
- 所有者変更やNTFS権限リセット後にファイルが消えた
- システムの復元やリセット時に「個人ファイルを保持する」を選んだのに消えた
- SFC/DISMコマンド実行後にフォルダにアクセスできなくなった
- クリーンインストール前のバックアップを忘れてしまった
ウイルス感染やPCのクラッシュ、権限トラブルなどあらゆる消失パターンに対応しており、いざという場面での心強いサポートツールとなるでしょう。
Part7:二度と困らないための予防策
0x80070005エラーを解決できたら、再発防止のために以下の習慣を身につけましょう。
定期メンテナンス(月1回、所要15分)
| タスク | 手順 | 効果 |
|---|---|---|
| Windows Updateの確認 | 「設定」→「Windows Update」→「更新プログラムのチェック」 | セキュリティパッチ適用でウイルス予防 |
| システムの復元ポイント作成 | 「復元ポイントの作成」→「作成」ボタン | トラブル時の安全な復旧手段確保 |
| ディスククリーンアップ | 「ディスク クリーンアップ」ツール実行 | 一時ファイル削除で権限問題予防 |
| ウイルススキャン | Windows Defenderでフルスキャン | マルウェアによる権限改変を防止 |
ファイル操作のベストプラクティス
✅ やるべきこと:
- 重要なファイルは定期的にバックアップ(外付けHDD + クラウド)
- 外部ストレージからコピーしたファイルは所有者を確認
- システムファイルの場所(C:\Windows, C:\Program Files)には不用意にアクセスしない
- 管理者権限が必要な操作は慎重に実行
❌ やってはいけないこと:
- よく分からないファイル・フォルダの権限を安易に変更しない
- TrustedInstallerが所有者のファイルを無闇に編集しない
- レジストリエディターで権限キーを直接変更しない(専門知識がない場合)
- 不明なソフトウェアに管理者権限を与えない
セキュリティソフトの適切な設定
推奨設定:
- リアルタイム保護は常にON
- 信頼できるソフトのみ除外リストに追加
- 定義ファイルの自動更新を有効化
- ランサムウェア対策機能をON(Windows Defender)
バックアップ戦略(3-2-1ルール)
データ保護の黄金律:
- 3 - 最低3つのコピーを作成(オリジナル + バックアップ2つ)
- 2 - 2種類以上の異なるメディアに保存(HDD + クラウド など)
- 1 - 1つは離れた場所に保管(クラウドストレージ)
具体的な実施例:
- オリジナル:PC内蔵SSD
- バックアップ1:外付けHDD(週1回自動バックアップ)
- バックアップ2:OneDrive / Google Drive(リアルタイム同期)