「エラーコード: 0x80070002」が表示され、Windows Updateが進まない……」と困った経験はありませんか?
このエラーは、Windows10/11のアップデートやファイルのコピー、バックアップ時に発生し、処理がそれ以上進まなくなってしまうため、早急な対処が必要です。
本記事では、0x80070002エラーの原因と対処法を初心者の方にもわかりやすく解説します。お困りの方はぜひ参考にしてくださいね。
目次
Part1:Windows10/11の0x80070002エラーとは?
はじめに0x80070002エラーへの理解を深めておきましょう。このエラーが何を意味しているのか、放置するとどうなるのか、以下の通り3つのパートにわけて解説します。
- 0x80070002エラーの意味
- 0x80070002エラーが発生しやすい場面とPCの症状
- 0x80070002エラーを放置するリスク
Part1-1:0x80070002エラーの意味
Windows10/11で発生する「0x80070002」エラーは、「ERROR_FILE_NOT_FOUND(ファイルが見つかりません)」を意味しています。
このエラーは、Windowsが必要とするファイルやデータにアクセスできない状態を示しており、一度発生すると基本的には何かしらの対処法を実行するまでインストールやアップデートなどの処理は進みません。
Part1-2:0x80070002エラーが発生しやすい場面とPCの症状
0x80070002エラーが発生する主な場面と、その症状をチェックしてみましょう。
- Windowsのアップデート時:「インストールに失敗しました」などの警告が表示される/更新プログラムが途中で止まる
- ファイルのコピー・バックアップ時:外付けストレージやメモリデバイスへファイルをコピーできない/特定のファイルに限ってコピーができない
- システムバックアップ時:バックアップイメージの作成・復元に失敗する
上記のことからもわかるように、0x80070002エラーは主にデータの読み書きが必要な場面で発生することが多いです。
Part1-3:0x80070002エラーを放置するリスク
最も注意しなければならないのは、Windows Updateでこの0x80070002エラーが発生するケースです。
放置による主なリスク:
- セキュリティ更新が適用されず、ウイルス感染や攻撃のリスクが高まる
- システムの安定性が低下し、エラーやクラッシュが頻発する
- バックアップやファイルコピーが正常に行えず、データ破損の恐れがある
また、ファイルのコピーやバックアップ中に0x80070002エラーが発生すると、バックアップしたつもりが不完全なデータで保存されてしまったり、ファイルが破損して使えなくなったりする可能性もあります。
Part2:Windows10/11で0x80070002エラーが発生する原因
0x80070002エラーが発生する原因はいくつか考えられますが、ここでは代表的な原因を5つご紹介します。
- システムファイルの破損
- 更新プログラムの不整合
- SoftwareDistributionフォルダの問題
- 日付と時刻の設定ミス
- ディスクエラー
| 原因 | 詳細 | 発生頻度 |
|---|---|---|
| システムファイルの破損 | Windows Updateに必要なファイルが破損している | 非常に高い |
| 更新プログラムの不整合 | 過去の更新が不完全で、新しい更新が適用できない | 高い |
| SoftwareDistributionフォルダの問題 | Windows Updateのキャッシュフォルダに不具合がある | 高い |
| 日付と時刻の設定ミス | システム時刻がずれていると認証に失敗する | 中程度 |
| ディスクエラー | ハードディスクやSSDに物理的な不良セクタがある | 中程度 |
Part2-1:システムファイルの破損
システムファイルとは、OSを正常に動かすために必要なファイル群のことです。
突然PCの電源が切断されたり、不完全なデータのままインストールを進めようとしたりすると、システムファイルが破損したり、データの一部が欠落して0x80070002エラーが発生することがあります。
Part2-2:更新プログラムの不整合
過去のWindows Updateが正常に完了していない場合、その影響で新しい更新プログラムが適用できなくなることがあります。
この場合は、不整合を起こしているファイルをリセットすることで解決できることが多いです。
Part2-3:SoftwareDistributionフォルダの問題
SoftwareDistributionフォルダとは、Windows Updateのダウンロードファイルを一時的に保存する場所です。
このフォルダ内のファイルが破損していたり、容量が不足していたりすると、0x80070002エラーが発生することがあります。
Part2-4:日付と時刻の設定ミス
PCの日付と時刻の設定が正しくない場合、Windows Updateのサーバーとの認証がうまくいかず、エラーが発生することがあります。
特に、セキュリティ証明書の有効期限確認が正しく行われないため、エラーが発生しやすくなります。
Part2-5:ディスクエラー
PCに接続しているHDDやSSDといったハードウェアが読み書きできない状態になっていたり、PCに正しく認識されない状態になっていたりすることで、0x80070002エラーが発生することがあります。
普段からHDDやSSDの読み込みが遅い、突然再起動が始まるなど、挙動に問題がある場合はディスクが原因となっていることも考えられるでしょう。
Part3:Windows10/11で0x80070002エラーが発生した時の対処法
Windows10/11で0x80070002エラーが発生した時の代表的な対処法を5つご紹介します。
- Windows Updateトラブルシューティングを実行する
- 日付と時刻の設定を確認する
- SoftwareDistributionフォルダをリセットする
- SFCコマンドを実行する
- DISMツールでシステムイメージを修復する
速やかな対処で、大切なデータを守りましょう。
Part3-1:対処法1.Windows Updateトラブルシューティングを実行する
所要時間:5~10分 | 安全度:★★★★★
Windowsのアップデート中にエラーが発生する方は、Windows Updateのトラブルシューティング機能を使いましょう。操作方法は非常に簡単です。手順は次の通りです。
ステップ:
- 設定画面を開き「システム」→「トラブルシューティング」をクリック
- 「その他のトラブルシューティングツール」を選択
- 「Windows Update」項目の「実行」をクリック
検出された問題に対して、ツールの指示に従って修復を実行してください。修復が完了したら、PCを再起動してWindows Updateを再試行しましょう。
Part3-2:対処法2.日付と時刻の設定を確認する
所要時間:2~3分 | 安全度:★★★★★
システム時刻がずれていると、認証エラーでWindows Updateが失敗することがあります。パソコン初心者でも扱える簡単な方法です。
手順:
- 「設定」を開き「時刻と言語」→「日付と時刻」を選択
- 「時刻を自動的に設定する」がオフの場合はオンに切り替える
- 「今すぐ同期」ボタンをクリックして、時刻をインターネット時刻サーバーと強制同期
設定後、PCを再起動し、Windows Updateを再試行してください。
Part3-3:対処法3.SoftwareDistributionフォルダをリセットする
所要時間:10~15分 | 安全度:★★★★☆
Windows Updateのキャッシュをクリアすることで、破損したファイルを削除します。手順に従って進めれば安全に実施できます。
ステップ1: 検索ボックスに「コマンド」と入力し、コマンドプロンプトを「管理者として実行」
ステップ2: 以下のコマンドを順番に入力してEnterキーを押します。
net stop wuauserv
net stop bits
ステップ3: 以下のコマンドを入力しEnterキーを押します。
ren C:\Windows\SoftwareDistribution SoftwareDistribution.old
ステップ4: 以下のコマンドを入力してサービスを再開します。
net start wuauserv
net start bits
💡ヒント: 半角スペースやスラッシュ位置の誤入力に注意してください。完了後、コマンドプロンプトを閉じてPCを再起動しましょう。
Part3-4:対処法4.SFCコマンドを実行する
所要時間:20~40分 | 安全度:★★★★☆
システムファイルが破損している場合、SFC(システムファイルチェッカー)コマンドを使用して自動修復を試みます。
ステップ1: 検索ボックスに「コマンド」と入力し、「管理者として実行」
ステップ2: 以下を入力してEnterキーを押します。
sfc /scannow
「sfc」「半角スペース」「/」「scannow」 の形式を間違えないようにしてください。
スキャンには20〜40分かかります。途中で中断せず待機しましょう。
スキャン結果の目安:
- 「破損したファイルを検出し、正常に修復しました」→ 修復成功
- 「破損したファイルを検出しましたが修復できませんでした」→ DISMへ進む
- 「整合性違反を検出しませんでした」→ システムは正常
Part3-5:対処法5.DISMツールでシステムイメージを修復する
所要時間:30~60分 | 安全度:★★★★☆
SFCで修復できない場合は、DISMツールを使ってWindowsイメージを修復します。ネット接続が必要です。
ステップ1: 検索バーから「コマンドプロンプト」を管理者で起動
ステップ2: 以下の3つのコマンドを順に実行します。
DISM /Online /Cleanup-Image /CheckHealth
DISM /Online /Cleanup-Image /ScanHealth
DISM /Online /Cleanup-Image /RestoreHealth
各処理には10〜20分かかります。処理完了までPCを操作しないようにしましょう。
ステップ3: DISM完了後、再度SFCを実行します。
sfc /scannow
ステップ4: 再起動後、エラーが解消されたか確認します。
💡補足: DISMで「修復できませんでした」と表示された場合は、これ以上進めずPart4(データ復元またはシステム復元)へ移行してください。
Part4:Windows10/11のエラーで大切なデータが消えてしまった時の解決策
万が一「0x80070002エラー」といった重大なトラブルによって、大切なデータが消失してしまった場合は、データ復元ソフトの活用をお試しください。
Wondershare Recoverit でのデータ復元
Recoveritは、誤削除・フォーマット・システム障害で失われたデータを復元できる専門ツールです。AIを搭載した高度な復元技術により、99.5%の復元成功率で失われたドキュメントや画像、動画など1,000種類以上のファイル形式のデータを取り戻します。
以下は、「Recoverit」で消えたデータを復旧・復元する手順です。
ステップ1 復元場所を選択します。
パソコンで「Recoverit」を起動すると、左側のサイドバーにファイル保存場所が表示されます。ここでは、特定の保存場所を選択してください。
スキャンしたいフォルダをクリックすると、選択した場所をスキャンし始めます。

ステップ2 消えたデータをスキャンします。
スキャンしたいハードディスクをクリックすれば、スキャンが始まります。スキャンは数分かかりますが、サイズの大きいファイルが多数存在する場合、時間がかかる場合もあります。

ステップ3 消えたデータをプレビューして復元します。
パソコンのデータをスキャンした後、失われたファイル・フォルダがあるかどうかを確認するためにプレビューを行います。その後、復元したいパソコンのファイルにチェックを入れて、「復元する」をクリックすれば完了です!

こんな状況で活用できます:
- アップデートエラー対処中にファイルが消えた
- バックアップや復元操作の途中でデータが失われた
- システム修復後に一部フォルダが表示されなくなった
- SFC/DISMコマンド実行後にデータがアクセス不能になった
Part5:0x80070002エラーを予防する対策
エラーの再発を防ぐために、以下の予防策を実施しましょう。
| 予防策 | 実施頻度 | 効果 |
|---|---|---|
| 定期的なWindows Update | 毎月第2水曜日 | セキュリティ脆弱性の解消 |
| ディスククリーンアップ | 月1回 | 不要ファイルの削除で容量確保 |
| システムファイルチェック(SFC) | 3ヶ月に1回 | システムファイル破損の早期発見 |
| データバックアップ | 週1回 | 万が一のデータ消失に備える |
| セキュリティソフトの更新 | 自動更新設定 | マルウェアからシステムを保護 |
特に重要なポイント:
- バックアップは外付けHDDとクラウドの二重で行う
- システム復元ポイントは定期的に作成する
- エラーが出た場合は即対処、放置しない
- 不明なDLLや外部サイトの修復ツールを使わない
特に重要なのは定期的なデータバックアップです。外付けHDDやクラウドストレージを利用して、大切なデータを複数の場所に保存しておきましょう。
まとめ
- 0x80070002エラーは「ファイルが見つからない」状態を示す。
- 主な原因はキャッシュ破損・時刻ズレ・システムファイルの破損。
- 対処法は順にトラブルシューティング → フォルダリセット → SFC/DISM実行。
- データ消失時はRecoveritで安全に復元可能。
- 再発防止の鍵は「定期的なバックアップと更新」。
この記事を参考にすれば、ほとんどの0x80070002エラーは安全に解決できます。トラブル時も焦らず、手順に沿って対応しましょう。