パソコンを利用していると、写真・画像データは画質が高いほど容量が大きく、デバイスのディスク容量を圧迫しやすいので定期的に消して整理しているという人は多いでしょう。
しかし、間違って写真や画像を消してしまうことがあると思います。
ゴミ箱に残っている場合は復元できますが、パソコンから完全に削除されると復元することはできません。
では、パソコンから削除してしまった写真や画像はどうやって復元すれば良いのでしょうか?今回はパソコンから削除した写真や画像を復元する方法を紹介します。
目次
パート1:パソコンから削除した写真を復元する方法
パソコンで写真や画像を削除した場合、復元できるかどうかは「削除方法」によって大きく変わります。
右クリックの「削除」で消した場合はゴミ箱へ移動しますが、Shift+Deleteで削除した場合はゴミ箱を経由せずに完全削除されます。
しかし、完全削除してしまってもまだ復元できる可能性は十分あります。まずは利用できる復元方法を整理しましょう。
- ① ゴミ箱から復元:右クリック削除の場合は最も簡単・確実
- ② 復元ポイント:システム保護が有効ならフォルダの過去状態を復元できる
- ③ ファイル履歴:バックアップ設定済みなら特定のファイルだけ取り戻せる
- ④ Recoverit(復元ソフト):完全削除・フォーマット後でも高い確率で復元可能
まずは①~③を試し、見つからない場合は④Recoveritを利用するのが最も成功率が高い流れです。
以下のようなフォルダで「flower.jpg」「road.jpg」を削除してしまったケースを例に見ていきましょう。

| 復元方法 | 成功率 | 所要時間 | 費用 | おすすめの人 |
|---|---|---|---|---|
| ① ゴミ箱から復元 | ⭐⭐⭐⭐⭐ 100% |
1分 | 無料 | 通常削除をした人 |
| ② 復元ポイント | ⭐⭐⭐⭐☆ 70% |
5〜10分 | 無料 | システム保護を有効にしている人 |
| ③ ファイル履歴 | ⭐⭐⭐⭐☆ 80% |
3〜5分 | 無料 | 外付けHDDへバックアップ設定済みの人 |
| ④ Recoverit(専門ソフト) | ⭐⭐⭐⭐⭐ 98% |
10〜30分 | 無料版あり(500MBまで) | 上記方法で復元できない人 |
方法1:ゴミ箱に誤って削除した写真が残っていないか確認する
誤削除した写真がゴミ箱に残っている場合、最も簡単に復元できます。
ステップ1:ゴミ箱を開き、削除された写真を探す
デスクトップの「ごみ箱」を開き、一覧の中から復元したい画像を探します。 右クリックで[元に戻す]を選ぶと元のフォルダへ戻ります。

ステップ2:削除した画像データを元に戻す
複数選択したい場合は Ctrl キーを押しながら選択します。 ゴミ箱画面上部の[すべての項目を元に戻す]でも一括復元が可能です。

復元したデータは元のフォルダへ戻ります。
方法2:復元ポイントから完全削除した写真を復元する
ゴミ箱に無い場合でも、復元ポイントが有効ならフォルダの過去状態を復元できます。
ステップ1:復元ポイントが有効か確認する
検索窓で「復元ポイント」を入力し、設定画面を開きます。

「保護設定」にある利用できるドライブが「有効」になっていれば利用可能です。

無効の場合は「構成」からシステムの保護を有効にするにチェックを入れます。

ステップ2:以前のバージョンからファイルを復元する
復元したいフォルダを右クリックし、「以前のバージョンの復元」を選択します。

復元したい時点を選んで「復元」を押せば完了です。
方法3:ファイル履歴から完全削除した写真を復元する
ファイル履歴をオンにしていた場合、特定ファイルだけをピンポイントで復元できます。
ステップ1:ファイル履歴の設定を確認する
「設定」→「バックアップ」にアクセスし、ファイル履歴がオンになっているか確認します。

ステップ2:ファイル履歴から復元する
検索窓に「ファイル履歴」と入力し、「ファイル履歴でファイルを復元」を開きます。

写真が保存されていたフォルダを選び、緑色のボタン[復元]をクリックします。
パート2:写真が完全削除される主な原因5選
写真や画像が「気づいたら消えていた」というケースは珍しくありません。 削除の原因を知っておくことで、復元の可否や対処方法が判断しやすくなり、再発防止にもつながります。
- Shift+Delete: ゴミ箱を経由しないため復元が難しい
- ゴミ箱を空にした: 一見消えたように見えるが、実体は残っていることも
- フォーマット: 初期化しても一部データは残存の可能性あり
- クリーンアップツール: 不要ファイルと一緒に重要データも削除されることがある
- ウイルス・システム障害: 意図せず削除・破損が発生することがある
復元の難易度は原因によって大きく異なるため、まずは当てはまるケースを把握しましょう。
| 削除原因 | 説明 | 復元難易度 |
|---|---|---|
| Shift+Delete による完全削除 | ゴミ箱を経由しない「完全削除」。標準機能では復元ができない。 | ⭐⭐☆☆☆ やや難 |
| ゴミ箱を空にした | ゴミ箱から完全削除された状態。ただしデータ本体は上書きされるまで残存。 | ⭐⭐☆☆☆ やや難 |
| フォーマット・初期化 | ドライブ全体を初期化すると、管理領域がリセットされる。 | ⭐⭐⭐☆☆ 難 |
| クリーンアップツールの使用 | ディスククリーンアップやクリーナーが不要データと誤認して削除する場合がある。 | ⭐⭐⭐⭐☆ 非常に難 |
| ウイルス感染・システムエラー | マルウェアやクラッシュによって予期せぬ削除・暗号化・破損が発生。 | ⭐⭐⭐☆☆ 状況による |
Part2-1:Shift+Delete による完全削除
通常の削除はゴミ箱に移動するだけですが、Shift+Delete は「本当に削除したい場合の裏コマンド」のような扱いで、 Windows がファイルをすぐに上書きできる領域としてマークしてしまいます。
見た目には一瞬で消えるため「完全に消滅した」と感じますが、実体のデータはしばらく残っています。 ただし、この領域は新しいデータが書き込まれるたびに上書きされるため、復元の成否はPC をどれだけ使ったかで大きく変わります。
Shift+Delete を使った直後なら復元成功率が高い (使用を続けるほど成功率が急落)。
Part2-2:ゴミ箱を空にした
「ゴミ箱を空にする」をクリックすると完全削除になりますが、実際にはデータが瞬時に消えるわけではありません。 Windows は該当領域を「空き容量」として扱うだけで、ファイル本体はしばらく残ります。
ただし、動画編集・ゲーム・ダウンロードなどの大きなデータを書き込む操作を行うと、上書きが早く進み復元率が下がります。
Part2-3:フォーマット・初期化の実行
ドライブのフォーマットには「クイック」と「フル」の2種類があります。 一般的に行われるクイックフォーマットは、実際には「管理情報を消すだけ」で、データ本体は多くが残ります。
一方、フルフォーマットや複数回の初期化を繰り返すと上書きが進み、復元できる可能性が低くなります。
Part2-4:クリーンアップツールの使用
Windows のディスククリーンアップやサードパーティ製クリーナーは、 キャッシュや一時ファイルを削除するついでにユーザーが意図しない重要データを巻き込むことがあります。
特に「ダウンロードフォルダの一括削除」や「不要ファイルの最適化」を実行した直後に写真が消える、という相談は非常に多いです。
Part2-5:ウイルス感染やシステムエラー
ウイルスによるデータ削除・暗号化、または急な電源断やシステムクラッシュによる ファイルシステムの破損が原因で写真が開けなくなる、消えて見える場合があります。
ファイル名は残っているのに中身が破損している、サムネイルが真っ黒になるなどが典型的な症状です。
パート3:パソコンから削除した写真・画像は復元できますか

写真・画像データの復元の前に、パソコンから削除した写真や画像が復元できる理由について解説します。
この内容が理解できると、どんなときに復元が可能で、どんなときに復元が不可能なのかもおおよそわかりますので確認しておきましょう。
- 削除しても実体データはすぐには消えない
- 上書きされるまでは復元可能
- 復元の成功率は「削除後にどれだけPCを使ったか」で決まる
つまり、削除=即消滅ではありません。データが上書きされる前に復元作業を行えるかどうかが最も重要です。
パソコンのデータ保存の仕組み
HDD や SSD、USB メモリなどの記憶デバイスには、 データそのものを保存する「記憶領域」 と どこにデータがあるかを管理する「管理領域」 の2つがあります。
写真や動画といったデータは、1つの塊ではなく小さなブロックに分割され、空いている領域に順番に書き込まれます。 そして「このファイルはどの位置に保存されているか」を管理領域が記録し、必要なときに読み出す仕組みになっています。
パソコンのデータ削除の仕組み
ファイルを削除しても、実は記憶領域から写真のデータがすぐに消えてしまうわけではありません。 削除操作で行われるのは、管理領域にある「このファイルは削除済みです」という印を付けるだけです。
この状態では、データ本体はまだディスク上に残っています。 しかし、Windows から見ると「ここは新しいデータを書き込んでよい場所」と扱われるため、 上書きされてしまうと復元が極めて難しくなります。
復元が可能なケースと不可能なケース
削除された写真データが復元できるかどうかは、 「上書きの有無」や「削除後の操作」によって決まります。
| 復元が可能なケース | 復元が困難なケース |
|---|---|
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|
「削除してからどれだけ使ったか」「どれだけ上書きされたか」。 この2点が復元成功率を大きく左右します。 不安な場合は、PC の使用を最小限にし、早めに復元ソフトの利用を検討しましょう。
パート4:Recoveritを利用して、パソコンから完全削除した写真や画像を復元する
削除された写真や画像は、手間がかかる方法を試す前に、専用の復元ソフトを使うのが最も簡単で確実です。
「Recoverit(リカバリット)」 は、削除されたデータを簡単に復元できる高機能なソフトウェアです。 HDDやUSBメモリ、SDカードなど、ほとんどの記憶デバイスに対応しており、さまざまな形式のファイルに対応します。
使い方は簡単。復元したいデバイスを選択し、スキャンを開始するだけで、失われた写真や画像を簡単に見つけ出せます。
もし、Part1で紹介した方法で復元できなかった場合は、Recoveritを使ってさらに効果的にデータを取り戻せる可能性が高いです。 無料体験版もあるので、試してみる価値はあります。
ステップ1:復元場所を選択します
「Recoverit」をインストール後、復元したいデバイスを選びます。特定のフォルダを選択して、スキャン範囲を絞ることができます。

ステップ2:スキャンを開始する
選択した場所をスキャンします。スキャン結果は整理された状態で表示され、必要なファイルを簡単に見つけることができます。

ステップ3:復元したいファイルを選択して復元する
復元したいファイルが見つかったら、それを選んで「復元する」をクリックします。スキャンが途中でも、見つけた時点で復元可能です。

復元先を指定して「復元する」をクリックすると、ファイルが復元されます。復元時は必ず別のディスクを選んで、上書きされないようにしましょう。

これで簡単にデータを復元できます。復元後、サムネイルでファイルの内容を確認できるので、必要なデータを素早く選んで復元できます。

パート5:写真削除後にすべきこと・してはいけないこと
写真を削除した際、適切な対応をとることで復元成功率を大きく高めることができます。
| ✅ すべきこと | ❌ してはいけないこと |
|---|---|
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削除に気づいたら、まずはすぐにパソコンの使用を停止してください。
新しいデータが上書きされると、復元が難しくなります。 冷静に、復元方法を確認したうえで行動することが大切です。
