HDDのSMARTエラーは、記憶領域のトラブルを指すことが多く、データの読み書きに関わる箇所が故障している可能性もあるため速やかな対処が必要です。
本記事では、HDDのSMARTステータスに異常が発生する原因と修復手順をわかりやすくまとめました。大切なデータを守るためにも、ぜひ記事を参考にしてみてください。
目次
Part1:HDDのSMARTステータスとは

SMARTステータスとは、主にHDDやSSDに内蔵されている自己診断機能のことです。記憶媒体が自らの状態を監視・分析し、故障の予兆があれば警告によってユーザーに知らせます。hdd smart エラー 修復に取り組む上で欠かせない基礎知識です。
本章では、SMARTステータスに関する以下の重要ポイントを解説します。
本章で解説するポイント
- ・ SMARTエラーを放置する重大なリスク
- ・ SMARTエラーをチェックする基本的な手段
Part1-1:SMARTエラーを放置する重大なリスク
SMARTエラーは主にHDDやSSDのデータ読み書きを行う領域のトラブルを指しており、修復せずに放置することは非常に危険です。
特に、不良セクタの増加によるSMARTエラーを放置すると、セクタが拡大し、最悪のケースではデータが完全に消失してしまう恐れがあります。
そのため、SMARTエラーが発生したらできるだけ早くデータのバックアップを行い、必要に応じて修理や買い替えを検討することが重要です。
Part1-2:SMARTエラーをチェックする基本的な手段
SMARTエラーのチェック方法はいくつかあります。hdd smart エラー 修復を行う前に、まず以下の方法で状態を確認しましょう。
SMARTステータスの確認方法
- 【方法1】 コマンドプロンプト(管理者権限)で
wmic diskdrive get status
を実行 - 【方法2】 SamsungなどHDD・SSDメーカーが提供する専用診断ツールを利用
- 【方法3】 SMART管理に対応したフリーソフト・市販ソフトを使用
- 【方法4】 BIOS/UEFI画面から診断機能にアクセス
最新情報更新
- Windows10/11の最新環境では
wmic
コマンドが非推奨となっています。代替として PowerShell のGet-PhysicalDisk
やGet-StorageReliabilityCounter
を用いることで、SMART関連の情報を取得できます。
なお、私たちが提供するデータ復元ソフト「Recoverit(リカバリット)」の最新バージョンでは、SMART管理機能の搭載を予定しています。SMARTチェックとデータ復元を一つで行える便利なソフトとして、ぜひ無料ダウンロードでお試しください。
以下は、「Recoverit」で消えたデータを復旧・復元する手順です。
ステップ1 復元場所を選択します。
パソコンで「Recoverit」を起動すると、左側のサイドバーにファイル保存場所が表示されます。ここでは、特定の保存場所を選択してください。
スキャンしたいフォルダをクリックすると、選択した場所をスキャンし始めます。
ステップ2 消えたデータをスキャンします。
スキャンしたいハードディスクをクリックすれば、スキャンが始まります。
スキャンは数分かかりますが、サイズの大きいファイルが多数存在する場合、時間かかる場合もあります。
ステップ3 消えたデータをプレビューして復元します。
パソコンのデータをスキャンした後、失われたファイル・フォルダがあるかどうかを確認するためにプレビューを行います。その後、復元したいパソコンのファイルにチェックを入れて、「復元する」をクリックすれば完了です!
Part2:HDDのSMARTエラーが発生する主な原因

HDDのSMARTエラーが発生する代表的な原因を4つご紹介します。hdd smart エラー 修復の前に、まず原因を正しく理解しておくことが重要です。
SMARTエラーの主な原因
- 【原因1】 不良セクタの増加
- 【原因2】 ファームウェアのトラブル
- 【原因3】 過熱・高温化
- 【原因4】 電源周りのトラブル
原因を理解することで、必要な対処法を的確に判断できるようになります。ぜひ参考にしてください。
Part2-1:不良セクタの増加
不良セクタとは、HDDやSSD内でデータの読み書きができない領域を指します。不良セクタが増加するとSMARTエラーの大きな要因になります。
HDDの場合、論理的な要因であれば代替セクタへ置き換えるなど一時的な自己修復は可能ですが、根本的に解消するわけではありません。放置すると不良セクタがさらに広がり、データの読み書きができなくなる可能性があるため注意が必要です。
Part2-2:ファームウェアのトラブル
HDDを制御するファームウェアに不具合が生じている場合、正しく認識されない、動作が不安定になるといった症状が現れることがあります。
ファームウェアの更新で改善されるケースもありますが、難しい場合は修理や買い替えを検討する必要があります。
Part2-3:過熱・高温化
HDDやSSDは負荷がかかることで熱を持ちやすく、冷却不足や使用環境によっては過熱がSMARTエラーの直接的な原因となります。
過熱はHDDの寿命を縮める要因でもあるため、作業を中断して冷却する、冷却ファンを追加する、PC内部の埃を掃除するといった対策が必要です。
最新情報更新
- 近年ではHDDだけでなく、NVMe SSDでも温度上昇によるエラーが報告されています。SSD利用環境でも温度監視は重要です。
Part2-4:電源周りのトラブル
電源トラブルには、停電や突然の電源断、適切でない強制シャットダウンなどがあります。これらが発生すると、データ書き込み中に中断され、hdd smart エラー 修復が必要な状態を引き起こすことがあります。
突然の停電は防ぎにくいものですが、手動で電源を切る際はアプリやソフトを正しく終了してからシャットダウンするようにしましょう。
Part3:HDDのSMARTエラーを解消する4つの修復方法

本章では、hdd smart エラー 修復の方法・対処法を次の4つにわけてご紹介します。
- 1. SMART管理ツールを使用する
- 2. CHKDSKコマンドを実行する
- 3. 過熱・高温化対策を行う
- 4. ファームウェアを更新する
Part3-1:SMART管理ツールを使用する
対処法の1つとして、詳細なSMARTステータスの確認や診断、修復がまとめて行えるSMART管理ツールを利用する方法があります。これらのツールはSMARTに特化しており、比較的操作が簡単なのが特徴です。
また、私たちが提供するデータ復元ソフト「Recoverit」にも、新バージョンの機能としてSMART管理機能を搭載予定です。SMART情報のチェックとデータ復元を一つにまとめ、より便利にアップグレードされます。
従来のデータ復元機能は新バージョン前から利用可能で、初心者でも直感的に操作できるインターフェースを備えています。
Part3-2:CHKDSKコマンドを実行する
CHKDSKとは、Windowsに標準搭載されている診断・修復ツールで、HDDやSSDの論理的エラーをチェックし、自動で修復を行います。
ステップ1: タスクバーの検索ボックスに「コマンド」と入力し、コマンドプロンプトを管理者として起動

ステップ2: 以下を入力し、Enterキーを押下
chkdsk /r C:

正しい形式:「chkdsk」「半角スペース」「/r」「半角スペース」「C:」
再起動後に実行するかどうかを聞かれたら「y」を入力し、Enterキーを押下してください。再起動後にCHKDSKコマンドが実行されます。
最新情報更新
- CHKDSKは論理エラーには有効ですが、物理的な障害HDDに対しては負荷を与える可能性があります。その場合はメーカー提供の診断ツールや専門業者での検査を推奨します。
Part3-3:過熱・高温化対策を行う
HDDの過熱・高温化はSMARTエラーの原因となるだけでなく寿命を縮める要因です。最も手軽な対策は、長時間の連続使用を避け、定期的に休止時間を設けることです。
さらに、不要なアプリやタブを整理する、冷却ファンを追加する、デスクトップPCならケース内部を清掃するなどの方法も有効です。
Part3-4:ファームウェアを更新する
使用しているHDDのメーカー公式サイトにアクセスし、最新のファームウェアが公開されていないか確認しましょう。 「HDDの型番+ファームウェア」で検索すると該当ページにアクセスしやすいです。
新しいファームウェアがある場合は更新を行いましょう。古いファームウェアを使い続けると、HDDの動作が不安定になりSMARTエラーの原因となることがあります。