ノートパソコンを処分する際、パソコンを起動できれば簡単にデータを消去できますが、パソコンが故障している場合はデータの消去ができません。このような場合は、ハードディスクの取り出しが必要となります。
この記事では、ノートパソコンのハードディスク(HDDやSSD)の取り出し方法をご紹介。注意点やデータが消えてしまった際の対処法も解説しています。お困りの方は参考にしてみてくださいね。
目次
Part1:ノートパソコンのハードディスクを取り外す前の注意点
はじめに、ノートパソコンのハードディスクを取り外す前に知っておくべき注意点を3つに分けて解説します。
知っておくべき注意点
- パソコンが起動可能な場合はバックアップを取る
- 通電前にハードディスクが濡れていないかチェックする
- ネジの取扱いに注意する
Part1-1:パソコンが起動可能な場合はバックアップを取る
ハードディスクを取り外すノートパソコンには、起動できるものと、故障などで起動できないものがありますよね。起動可能な場合は、必ず事前にデータのバックアップを取りましょう。
特にビジネスやプライベートで重要なデータを取り扱っている場合、バックアップはとても重要です。パソコン本体が起動できなくても、ハードディスクには問題がないケースも多いです。ハードディスクに問題がなければ、取り出し後にデータの中身をチェックしましょう。
Part1-2:通電前にハードディスクが濡れていないかチェックする
万が一、ノートパソコンの故障原因はさまざまですが、中には水濡れが原因となることもあります。ハードディスクやノートパソコンが水に濡れてしまった場合、自身では通電を行わないようにしましょう。
水濡れしたノートパソコンやハードディスクに通電すると、基盤や配線といった精密部品がショートし、データの消失に繋がる原因となります。
Part1-3:ネジの取扱いに注意する
ノートパソコンのハードディスクを取り外す際は、ドライバーでネジを緩めフタを取り外す必要があります。取り外したネジは紛失しないように注意してください。
取り外したネジは、小物入れやチャック付き袋などに収納しておくと安心です。
特にノートパソコンのネジはとても小さく、紛失してしまう人も少なくありません。
Part2:ノートパソコンのハードディスクのバックアップを取るには?

パソコンの起動が可能な場合、ハードディスクに保存しているデータのバックアップを取りましょう。ただし、データを全消去しても問題ない場合、バックアップは不要です。
データバックアップを取る手段は大まかに3種類あります。
- 「Windowsバックアップ」機能を利用する
- 「ファイル履歴」機能を利用する
- 「Time Machine」を利用する(MacOSの場合)
「Windowsバックアップ」機能では、Microsoft社のクラウドストレージ「OneDrive」を使用します。無料版では5GBまでのデータ保存が可能です。
「ファイル履歴」機能では、USBメモリなどの外部ストレージを使用してデータのバックアップを取ります。OneDriveの有料プランの加入が難しい方は、こちらの方法がおすすめです。
Part3:パソコンのハードディスクの取り外し方法
パソコンのハードディスクを取り外す手順を解説します。
以下の3つのポイントに分けてお伝えします:
- ノートパソコンのハードディスクを取り外す
- デスクトップパソコンのハードディスクを取り外す
- ハードディスクの取り外しができない場合
Part3-1:ノートパソコンのハードディスクを取り外す
Windowsノートパソコンの場合は「No.0」サイズのプラスドライバーをご用意ください。Macノートパソコンの場合は「トルクスドライバー」と呼ばれる星形の特殊なドライバーが必要です。
ノートパソコンのハードディスクは、2.5インチタイプとメモリーカードタイプに分かれます。
ノートパソコンのハードディスクの種類:
- 2.5インチタイプ
- メモリーカードタイプ
【2.5インチタイプのハードディスクを取り外す手順】
ステップ1:ノートパソコン裏側のネジを緩め、フタを取り外す

2.5インチタイプの場合はハードディスク専用のフタの下に収納されているケースが多いです。(2.5インチタイプ=10cm×7cm)
ステップ2:2.5インチハードディスクのマウンタと本体のネジをそれぞれ取り外す
ステップ3:ハードディスクを取り外す
【メモリーカードタイプのハードディスクを取り外す手順】
ステップ1:ノートパソコン裏側のフタを取り外す

メモリーカードタイプは本体裏側のフタの下に収納されています。
ステップ2:メモリーカードタイプハードディスクの固定ネジを緩めて取り外す
ステップ3:ハードディスクを取り外す
MacBookもメモリーカードタイプと同様に収納されているケースがほとんどです。
Part3-2:デスクトップパソコンのハードディスクを取り外す
デスクトップパソコンのハードディスクを取り外す際は、「No.1」サイズのプラスドライバーを用意しましょう。
デスクトップパソコンのハードディスクの特徴:
- 主流は3.5インチサイズ(約14cm×10cm)
- 場所がわからない場合はサイズを目安に探すと良い
- メモリーカードタイプも取り外し手順は同様
【デスクトップパソコンのハードディスクを取り外す手順】
ステップ1:本体ケース側面のネジを緩め、ケースを取り外す
ステップ2:ハードディスクを固定しているマウンタとネジを取り外す

ステップ3:ハードディスクを取り外す
デスクトップパソコンのハードディスクは3.5インチが主流です。寸法はおおよそ14cm×10cmとなっています。ハードディスクがどこにあるのか分からない方は、サイズから探してみるとわかりやすいでしょう。
なお、メモリーカードタイプの場合も取り外し手順は同様です。
Part4:取り外したハードディスクの取扱い手段

パソコンから取り外したハードディスクは、以下のような方法で取り扱うことが一般的です。それぞれの方法にはメリット・デメリットがあり、用途や状況に応じて適切に選ぶことが重要です。
- 廃棄(データの完全消去を必ず実施)
- 外付けハードディスクとしての再利用
- 専門業者へ廃棄を依頼
4-1:廃棄する場合の注意点
ハードディスクをそのまま廃棄すると、内部のデータが流出するリスクがあります。必ず以下の方法でデータを完全に消去してください。
- 専用のデータ消去ソフトを使用して上書き消去を行う
- 物理的にハードディスクを破壊する(ドリルで穴を開けるなど)
これらの対策により、個人情報や機密データの漏洩を防ぐことができます。単純な削除やフォーマットだけでは、データ復元される恐れがあるため注意が必要です。
4-2:外付けハードディスクとしての再利用
取り外したハードディスクは、市販の外付けケースに入れてUSB接続の外付けストレージとして再利用できます。以下のような用途におすすめです:
- データのバックアップ用ストレージ
- 大容量の動画や写真データの保存
- 複数パソコン間でのデータ共有
外付けケースは手軽に取り付け可能で、USB3.0など高速接続に対応した製品も多いため利便性が高いです。購入時は対応サイズや接続方式を確認しましょう。
4-3:専門業者へ廃棄を依頼するメリット
自分でのデータ消去や物理破壊が難しい場合は、専門の廃棄業者に依頼するのが安全です。専門業者では以下のサービスが受けられます:
- データの完全消去作業(専用機器による上書きや破壊)
- 廃棄証明書の発行による安心の証明
- 環境に配慮したリサイクル処理
信頼できる業者を選び、事前に費用やサービス内容を確認してから依頼しましょう。
4-4:環境に配慮したハードディスクの処分
電子機器であるハードディスクは、適切なリサイクルが推奨されます。自治体の回収プログラムや家電リサイクル法に基づく処分方法を利用することで、環境負荷を軽減できます。処分の際はデータ消去を済ませたうえで、リサイクル施設に持ち込むか専門業者に依頼しましょう。
Part5:取り外したハードディスクのデータが消えてしまった時の対処法
取り外し作業中や再利用の過程で、誤って大切なデータを消去してしまったり、ハードディスクの不具合でデータが消えてしまうケースも珍しくありません。そんな時は、慌てずに以下の方法を試してみましょう。
- できるだけ早く使用を停止する(上書き防止)
- 信頼できるデータ復元ソフトを利用する
- 復元が難しい場合は専門業者に相談する
5-1:まずは使用を中止する
データが消えたことに気づいた時点で、まずはハードディスクの使用を控えましょう。新たなデータが書き込まれると、元のデータが上書きされ、復元の難易度が上がってしまいます。
5-2:データ復元ソフトの活用
一般的なデータ消失であれば、データ復元専用ソフトを活用することで、自分で簡単に復元できるケースも多いです。たとえば Recoverit(リカバリット) なら:
- HDDやSSDはもちろん、USBメモリやSDカードにも対応
- ドキュメント、画像、音楽、動画など 1,000 種類以上のファイル形式に対応
- シンプルな操作画面で、パソコン初心者でも扱いやすい
無料版でもスキャン機能を試せるので、まずは状況確認から始めてみるとよいでしょう。
5-3:専門業者への相談も選択肢に
もしソフトでも復元が難しい場合や、ハードディスク自体に物理障害がある場合は、無理に自力で復元を試さず、専門のデータ復旧業者に相談するのが安全です。高度な設備と技術で復旧作業を行ってくれます。