デジタルコンテンツやSNSが普及する現代において、テレビ番組をリアルタイム視聴ではなく、録画してあとから視聴を楽しむ人は多いのではないでしょうか。
録画用HDDのデータ移行は、著作権保護や技術的な問題で、少し工夫が必要となります。
本記事では、録画用HDDのデータを移行する手段や、知っておきたいテレビ番組の著作権保護などについて解説します。
目次
Part1:一般的な外付けHDDの録画データは移行できない
テレビ番組の録画データには著作権保護のための技術が使われており、録画した外付けHDDを別のデバイスに接続しても視聴やコピーができません。 ここでは、録画用外付けHDDの録画データ移行に関係する著作権保護の仕組みや、移行前に知っておきたいポイントを以下のパートに分けて解説します。
- 外付けHDDとテレビの固有情報が紐づいている理由
- 録画用外付けHDDのデータ移行に必要なもの
Part1-1:外付けHDDとテレビの固有情報が紐づいている
テレビ番組(地上デジタル放送)には、著作権を保護するためにデータ暗号化の仕組みが導入されています。 録画データを再生するための暗号化キーはテレビ1台ごとの固有情報と紐づいており、 そのため録画用外付けHDDのデータ移行を行っても、別のテレビやデバイスでは再生できないのが一般的です。
また、著作権保護法によりコピーガードを突破する行為は法律で禁止されています。 コピーガードにはいくつかの種類があり、ダビングできる回数が定められている場合や、 そもそもダビングが許可されていない番組もあります。
コピーガードの種類
- ダビング10:コピー9回+ムーブ1回まで可能
- コピーワンス:コピー1回まで可能
- コピーネバー:コピー不可
Part1-2:録画用外付けHDDのデータ移行に必要なもの
先述したとおり、録画用外付けHDDの録画データ移行には、「正式に認められている移行手順」と「対応機器」が必要となります。 代表的な移行方法は以下の3パターンです。
-
【パターン1】ネットワーク経由で録画データを共有する方法
・コピーガード(DTCP-IP)対応テレビ or レコーダー
・ネットワーク環境
・録画データを保存した外付けHDD -
【パターン2】SeeQVault対応外付けHDDへデータ移行
・SeeQVault対応外付けHDD
・SeeQVault対応テレビ(録画元/再生側の両方)
・SeeQVault方式で録画されたデータ -
【パターン3】ダビング機能を使って移行する方法
・同一メーカーのテレビ(移行元/移行先双方が対応)
・新しい外付けHDD または 移行先テレビの内蔵HDD
・元の外付けHDD
これらの移行方法の具体的な手順については、後述の「Part3:外付けHDDの録画データを移行する方法」で詳しく解説します。
Part2:外付けHDDの録画データを移行する前に確認すべきこと
外付けHDDに保存された録画データを移行する前に、いくつか確認しておきたい重要なポイントがあります。 誤った手順で進めると録画データが移行できなかったり、視聴できない場合があるため、事前チェックが非常に大切です。
- 録画データの種類(通常録画か SeeQVault方式か)
- テレビのメーカー一致・各機器の対応状況
- ダビング機能や「お引越し」機能の有無
- 移行先HDDの空き容量の確認
まず、録画データが「通常の録画データ」か「SeeQVault方式」かを確認してください。 通常録画データをSeeQVault方式に変換して移行することはできないため、この点はとても重要です。
次に、録画データの移行元と移行先のテレビが同じメーカーであるかをチェックしましょう。 通常録画データの場合、テレビメーカーが異なると録画用外付けHDDのデータ移行ができない可能性があります。 SeeQVault方式の録画データを移行する場合は、移行先テレビがSeeQVault対応であることも必須条件です。
さらに、テレビのメニューに「ダビング」「お引越し」「録画データ移行」などの専用機能が搭載されているかも確認しましょう。 移行元・移行先の両方のテレビが対応していれば、録画データの移行をよりスムーズに進めることができます。
また、移行先の外付けHDD(またはテレビの内蔵HDD)に十分な空き容量があるかどうかも事前に確認してください。 容量不足のまま進めると、録画データ移行が途中で止まってしまう可能性があります。
Part3:外付けHDDの録画データを移行する方法
先述した3つのパターンから、外付けHDDの録画データを移行する具体的な方法をご紹介します。 録画データ移行の方法は次の3種類に大きく分かれます。
- ネットワーク経由で録画データを共有する方法
- SeeQVault対応の外付けHDDへデータ移行する方法
- ダビング機能を使って録画データを移行する方法
Part3-1:ネットワーク経由で録画データを共有する方法
この方法では、次のものを用意します。
- コピーガード(DTCP-IP/DLNA)対応テレビ or レコーダー
- ネットワーク環境
- 録画データを保存している外付けHDD
手順は次の通りです。
- ステップ1:移行元のテレビ・レコーダーをインターネット(LAN)に接続
- ステップ2:移行先のテレビ・レコーダーをインターネット(LAN)に接続
- ステップ3:テレビの「DLNA」設定よりサーバーの設定を行う
- ステップ4:ネットワーク経由で録画データへアクセスする
こちらの方法はデータを「移行」するというよりは、複数のテレビ・レコーダー間で録画データを共有できる方法です。 法的に問題なく、安全に録画データを視聴できるおすすめの方法です。
Part3-2:SeeQVault対応の外付けHDDへデータ移行する方法
SeeQVault方式でテレビ番組を録画している方は、この方法が使えます。 用意するものは次の通りです。
- SeeQVault対応外付けHDD
- SeeQVault対応外付けHDD対応テレビ(元データ側/再生データ側ともに)
- SeeQVault方式で録画されたデータ
手順をご紹介します。
- ステップ1:SeeQVault対応テレビと外付けHDDを接続(初期化はしない)
- ステップ2:テレビの録画リストから「SeeQVault」への書き出しメニューを選択
- ステップ3:移行したい録画データを選択
- ステップ4:「SeeQVaultへ書き出す」などのメニューで書き出しを実行
- ステップ5:再生先テレビに外付けHDDを接続
SeeQVault方式によるデータ移行は、著作権保護の仕組みに従った正式な方法です。 SeeQVault対応機器をお持ちの方には安全に利用できる移行方法といえます。
ただし、先述のとおり、通常の録画データをSeeQVault方式に変換して移行することはできません。
Part3-3:ダビング機能を使ってデータを移行する方法
通常の録画データを法的に問題なく移行できる方法です。 テレビに「ダビング」「お引越し」「録画データ移行」といった純正のデータ移行機能が備わっている場合に使えます。
必要なものは次の通りです。
- 同一メーカーのテレビ(元データ側/再生データ側ともに)
- ダビング/お引越し/録画データ移行などの専用機能が両テレビに搭載されている
- 新しい外付けHDD または 移行先テレビの内蔵HDD
- テレビに接続された元の外付けHDD
それでは手順をご紹介します。
- ステップ1:移行元テレビと録画データの入った外付けHDDを接続
- ステップ2:移行先テレビと新しいHDDを接続(テレビ内蔵HDDの場合は不要)
- ステップ3:移行元テレビのデータ移行機能を使って移行設定を行う
- ステップ4:移行したい番組を選択
- ステップ5:移行(ムーブ)を行う
なお、コピーガードの方式は番組によって異なるため、録画データ移行ができないケースもあります。
Part4:外付けHDDの録画データが消えてしまった時の解決策
万が一、外付けHDDの録画データが消えてしまった場合は、データ復元専門ソフト 「Recoverit」をお試しください。 Recoveritは高機能なAI技術を搭載した、初心者にも扱いやすいデータ復元ソフトです。
HDDはもちろん、USBメモリやSDカード、PC本体、カメラのデータなど幅広いデバイスに対応しており、 外付けHDDの録画データが消失した場合でも復元できる可能性があります。 1,000種類以上のファイル形式に対応しているため、録画データ以外の復元にも利用できます。
PCをお持ちの方は、まずは無料ダウンロードでお試しください。
以下は、「Recoverit」で 消えたデータを復旧・復元する手順です。
ステップ1 復元場所を選択します。
パソコンで「Recoverit」を起動すると、 左側のサイドバーにファイル保存場所が表示されます。ここでは復元したい保存場所を選択してください。
スキャンしたいフォルダをクリックすると、自動的にスキャンが開始されます。
ステップ2 消えたデータをスキャンします。
スキャンしたいハードディスクをクリックすれば、スキャンが始まります。
スキャンには数分かかる場合がありますが、データ容量が大きい場合はより時間が必要になることがあります。
ステップ3 消えたデータをプレビューして復元します。
スキャンが完了すると、検出されたファイルをプレビューできます。 復元したいデータにチェックを入れ、「復元する」をクリックすれば復元が完了します。